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教養講座 血管にできるこぶの話~動脈瘤から静脈瘤まで~
医療連携講座-大阪南医療センター編-のレポートをお届けします!
くろまろ塾運営ボランティア スタッフ 2017年06月01日 10時20分 くろまろ塾 くろまろ塾運営ボランティア
皆さん、こんにちは。
くろまろ塾運営ボランティア広報担当の西岡です。
今回は、くろまろ塾ブログの第2弾として5月17日開催された医療連携講座(大阪南医療センター編)、テーマ「血管にできるこぶの話~静脈瘤から動脈瘤まで~」をレポートします。
テレビでも医療や健康に関する番組が人気のようですが、くろまろ塾でも医療連携講座は人気が高く今回も200名を超える受講者で大盛況でした。
第一部「静脈瘤について」は、大阪南医療センター 放射線科部長 神納敏夫先生からお話しを伺いました。
皆さん、「Ivr」って聞いたことありますか?
最近CTなどによる画像診断が進歩し、切らない手術Ivr(Interventional Radiology)が進歩しているとのことです。
なんと大阪南医療センターには、Ivrの専門医が4人もいらっしゃるそうです。
国立病院機構でも先駆けで、この4月から低侵襲治療(Ivrセンター)が発足され、外来もできたとのご紹介がありました。
さて、静脈瘤ですが、静脈には逆流防止弁がありますが、加齢や機能が落ちて静脈血が逆流すると、血栓やうっ滞が起こってこぶの様に膨らんだ状態の静脈瘤ができます。代表的なのは食道などにできる静脈瘤や足にできる下肢静脈瘤です。
主な治療法は、保存的治療、硬化療法、血管内の治療などがありますが、昔はストリッピング手術が行われる事が主流でした。ただし、皮下出血のため手術後痛むなどの問題がありました。
そこで、最近はレーザー装置で静脈を焼く手術が行われるようになりました。また、より患者さんに優しい非侵襲な最新のレーザー装置(照射波長:1470nm)の応用例を詳しくご紹介いただきました。
第二部「動脈瘤について」は同じく大阪南医療センター 放射線科医長 堺 幸正先生からお話しを伺いました。
皆さん、動脈瘤はこわい病気というイメージをお持ちではありませんか?
では、なぜでしょうか?
動脈瘤とは動脈の壁の弱ったところが伸びて膨らんでコブになった状態です。
動脈には常に血圧が掛かっているため、動脈瘤が破れると出血多量で助からない可能性が高くなるとのことです。
特に大動脈瘤が破裂した場合は特に危険ということでした。また、一般的には自覚症状がないのが、もう一つの怖い点だと言われていました。
ただし、お腹がドクドクして自分で気づく場合が24%程度はあるそうです。
治療については、部位にもよりますが破裂のリスク(動脈瘤が5cm以上)があれば治療を勧める場合がでてくるようです。
最新の技術では、ステントグラフト(バネ付きの人工血管)を血管内に挿入するIvr(体にやさしい血管内)治療が出来るようになり、その解説をして頂きました。
治療後の経過も非常に良く、患者さんも楽だとのことでした。
身につまされる内容だった為か、講座終了後も多くの受講者が講師の先生方に質問されている光景が印象的でした。
皆さん、今後益々患者にやさしい治療法が進むと嬉しいですね。
ただし何事も、早期発見が大切です。
健康診断や人間ドックを忘れず受けるようにしましょうね。(^_-)-☆
最後に今回も、くろまろ塾運営ボランティアの仲間が、受付のお手伝いをさせて頂きました。
塾生の皆さんもボランティアに参加してみませんか?