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教養講座 「漢字研究の巨星 白川静の世界 壱・弐」 人の一生

印刷ページ表示 更新日:2017年8月27日更新
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大人気講座『漢字研究の巨星 白川静の世界』の最終回に参加して来ました!

くろまろ塾運営ボランティア スタッフ2017年09月02日 16時00分  くろまろ塾くろまろ塾運営ボランティア

後藤先生

皆さん  こんにちは!くろまろ塾運営ボランティア広報担当の西岡です。
8月27日(日曜日)、「漢字研究の巨星 白川静の世界」の講座(講師:後藤先生、立命館大学大学院教職研究科准教授)に参加して来ました。

青銅器の爵のレプリカ
最終回も大人気で、午前・午後の部を合せて受講者数約160名の参加があり、今回は日曜日と云うこともあり若い人たちの参加もみられました。また、今回は、甲骨文字が彫られた亀甲や金文の彫られた青銅器の爵のレプリカなどを会場で見せていただく機会に恵まれました。

今回の講座は、午前が『人の一生』、午後が『魔よけの矢を放つ』というテーマの講義でした。
人の一生は生まれることから始まります。
「生」の漢字は、草木の生え出る形から象られたものです。つまり、地面から芽がでて葉を広げようとした形が変化したものです。
一方、人が生まれるときは「産」の漢字が使われます。「産」は旧字体では、「文」+「厂」+「生」で成り立っています。実は「文」には文身(入れ墨)と言う意味があり、「厂」には崖や額の意味があります。
今でも赤ちゃんが生まれると初宮参りの風習がありますが、赤ちゃんのおでこに「大」や「小」の字を紅で書きますよね。
なんと、古い漢字を研究することにより、これらの風習がの3000年前の古代中国でも行われていたことが推察できるのです。

講座の様子
また、昔は生まれたばかりの時は仮に「字(あざな)」を幼名としてつけ、生育の見通しが立つと改めて祖先の霊にお参りし本名を告げる儀式が行われました。それが『名』という字の始まりです。
「字」の漢字の成り立ちを紐解いてみると、そのようなことも解ってくるのです。
さらに、当時は生まれたばかりの赤ちゃんが、すくすく育つのかどうか、生存率が低く不安だった事などが想像できます。
このように、白川静先生の「文字学」を学ぶことは、単に漢字のルーツを知ることだけでなく、漢字が生まれた当時の風習や文化、宗教的呪術的背景なども明らかになるのです。
3000年経って、医学や技術は進歩してきたけれど、人間の営みや感情、本質はほとんど変わってないのだと、漢字の成り立ちを学ぶことで改めて感じました。

古代文字をトレース
さらに、今回は受講者に半透明のトレース紙が配られ、白川静先生が何十年も続けられた古代文字をトレースする追体験にもチャレンジしました。

高齢の受講者から、知ることの新鮮な驚きや楽しさやを改めて知ったとの声も多く聞かれました。
講座終了後に冊子『成り立ちとつながりで学ぶ漢字シート35』が販売されましたが、あっと言う間に完売となり、皆さんの学習意欲にビックリしました。

受付
最後に、今回もくろまろ塾運営の市民ボランティアが受付やアンケート回収など活躍して頂きました。くろまろ塾運営ボランティアの皆さん、お疲れさまでした!! (^o^)/

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