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教養講座 「漢字研究の巨星 白川静の世界 四」 (1)古代文字で見る「衣」
漢字講座始まりました!
くろまろ塾運営ボランティア スタッフ2019年07月21日 09時 くろまろ塾くろまろ塾運営ボランティア
皆さん、こんにちは。くろまろ塾塾生の西岡です。
今年も、後藤先生による「漢字研究の巨星、白川静の世界4」の講座がスタートしました。今日は、あいにくの雨天にも関わらず多数の塾生が受講しました。なりたちから漢字を覚える楽しさを1回でも味わうと、癖になってしまうのかも知れませんね。人気の高さが伺えました。
今年のテーマは、「衣・食・住」を3回に分けて学びます。今日は「衣」がテーマでした。
漢字が出来た3000年前頃には、すでに「衣」に関する様々な漢字が使われていました。当時は絹と麻はあったが、木綿はまだありませんでした。蚕は日本では、白川郷など室内で飼うのが普通ですが、当時は屋外で飼っていたことが「蚕」と言う漢字からも伺い知ることが出来ます。
また、「衣」は、単に身に着けるものではなく、「そこに霊が宿る神聖なもの」とのニュアンスが含まれているとの、文化的な背景まであったことを学びました。例えば、「初」の漢字は「衣」偏に「刀」と書きますが、赤ん坊に魂を受け継ぐために初めて産着を作るとき、反物をハサミなど刃物で裁ちます。そこから、「初」と言う漢字ができました。そう言えば「裁」という漢字にも「衣」と「矛づくり」が入っていますね。
中国の古い詩集『詩経』に、「緑衣」の詩という、形見の衣裳を題材に亡き妻への思慕をうたった切ない詩があります。衣はその人の魂を包むもの、いや魂そのものであったと言えるのかも知れません。白川静先生翻訳のその詩をご紹介しましょう。
緑衣
緑なり緑の衣
緑の衣に黄の裏地
亡き人に心憂ふる
その憂ひやむときもなく
緑なり緑の衣
緑の衣に黄の裳(もすそ)
亡き人に心憂ふる
その憂ひやむときもなく
緑なりその絲も
みづからに織りなせり
亡き人を思い出づれば
あやまちのなかりし人ぞ
うす衣掲げたるに
秋風の冷たさよ
亡き人を思い出づれば
魂あへる人なりけるを
講座の終わりに「甲骨文字」を読み解くチャレンジと甲骨文字サンプルの書籍『殷 甲骨文集』(二玄社刊)が紹介されました。先ずは、「十二支十干」の甲骨文字を覚えてしまいたいですね。(-_-;)
講座終了後も、熱心に質問する受講者の皆さんの姿がありました。
8月には、久保先生による親子で学ぶ漢字講座「漢字で知ろう昔のくらし」も始まります。夏休みに親子でぜひご参加ください。(^o^)/
今回もくろまろ塾ボランティアが司会や受付に活躍してくれました。お疲れ様でした。