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【ブログ】くろまろ塾 歴史編 漢字研究の巨星 白川静の世界7

印刷ページ表示 更新日:2025年12月12日更新
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漢字研究の巨星 白川静の世界 ~七~

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皆さん、こんにちは。くろまろ塾運営ボランティアの西岡です。今回は、10月25日と11月1日の2回にわたって開催された「漢字研究の巨星 白川静の世界~七~」を受講しましたので、その様子をレポートします。講師はいつもの後藤文男先生(立命館大学 白川静記念東洋文字文化研究所 上席研究員)でした。

 

第1回 10月25日(金曜日) 「人体の表現~横を向く人、前を向く人~」

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かつて白川静先生は「ことばは身振り語から起こった。文字にも人体の表現が多く、甲骨文字約八千のうち、二千を超える漢字が人体に関係している」と仰っています。実際に人体に関係している漢字は多く、第1回では、「横を向く人、前を向く人」として多数の漢字が紹介されました。

 小学生の時に、「人」という漢字は人と人、二人の人が支えあっている姿から出来たと聞いたことがありましたが、実際には横を向く一人の人の姿から成り立ちました。それが「にんべん」となり、「伯」や「仲」など様々な漢字が生成されました。また、同じパーツや他のパーツと組み合わせたりして「従」「比」「宿」などの漢字も多数できました。

さらに「大」という漢字は、前を向く人からできた漢字であり、「天」「立」「夫」など多くの漢字を派生しています。一例として、「茵」(しとね)という漢字は布団のような敷物に人が正面を向いて寝ている姿との説明があり、ア~なるほどと思いました。これなら覚えやすいですよね。。

 

第2回 11月1日(金曜日)  「人体の表現~ひざまずく人~」

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人体の表現、第2回は、「ひざまずく人」をテーマに講義がありました。ひざまずく人を表す漢字には、「儿」(ひとあし)と「」(ふしづくり)などがあります。代表的な漢字としては、「兄」「見」「光」「先」「元」「命」「御」「印」などがあります。

 「兄」という漢字は、「口」(サイという願い事をいれた器)を掲げながらひざまずく人の姿、また「見」という漢字は、ひざまずく人の上に大きな目が乗っている形で表されています。このように「人の形」から生まれた漢字を通して、古代中国の人々の想像力・創造力の豊かさを感じることができる講座になりました。

さらに、漢字の成り立ちが理解できれば、その漢字の意味がストンと腑に落ちることが多々あります。後藤先生の講座を聞いて、このように感じた塾生も多かったのではないでしょうか?講座終了後も、多くの塾生が残って質問などをする姿がありました。

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