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【ブログ】くろまろ塾 ロボットプログラミング講座 その3
くろまろ塾本部講座 基礎から学ぶ ロボットプログラミング講座 ~RoboRAVE (ロボレーブ)大阪大会を目指そう~
(その3:プログラミング実習4回目)
印刷ページ表示 更新日:2024年7月○○日更新
◆今回のレポート
こんにちは。 くろまろ塾運営ボランティアスタッフの栗栖です。今回は7月20日開催の 「基礎から学ぶ ロボットプログラミング講座(4回目)」で実施された 「プログラミング実習」 についての記事です。
◆出席者
出席者は18組の21名。カードにスタンプを押してもらって席につきます。
図1)出席カード
◆プログラミング実習:4回目の課題
次の6つの課題で進められました。4回目だけにレベルが少し上がっています。
- 1秒前進、1秒後退
- 白板上を直進し、終点で止めてフリッカーランプを点滅させる
- 画用紙上の凹曲線のトレーシング
- 床面に置いた紙面上のカーサーキット状曲線のトレーシング
- ピン球を運ぶための荷台の作製
- 製作した荷台を車型ロボットに取付け、ピン球を(4)の曲線に沿って実際に運ぶ
(1)1秒前進、1秒後退
復習です。4回目だけに受講者は手早く 1秒前進、1秒後退 を実行していきます。
(2)白板上を直進し、終点で止めてフリッカーランプを点滅させる
ヒロ先生から 図2)に示されるように、「白板の上を直進で走行し、終点の黒線で止めて、ランプを3回点滅させる。脱輪させないこと、センサーを用いる」 などの課題の説明とプログラミングの要領が解説されました。
図2)白板上の走行説明
ポイントはセンサーの使い方とモーターの出力制御です。
【センサーの使い方】 「木板の白の上と黒の上に車型ロボットを置いたとき、センサーCN1(またはCN2)の数値(ゲイン)が何パーセントになりますか?」 という問い掛けと、CN1の判別式の説明が行われました。
受講生は、記憶や「ipad」を操作して 「白は40~50%、黒は0%」 と回答します。また、 IF 文の後に置くCN1の判別式でも問い掛けながら進められます。答えは、センサーの判別値を中間の25%とし、IF CN1<25% を満足すれば黒の上、満足しなければ白の上とされました。
【モーターの出力制御】 白板上を実際に走らせると、モーター出力を左右同じにしても、多くは直進せずに徐々に曲がって脱輪してしまいます。これは、ロボットごとの特性によるもので、受講生が実際に走らせてモーターの出力を微妙に調整していく必要があり、腕の見せ所となります。また、フリッカーランプの点滅も忘れないように組込みます。
解説は以上の様でした。これらから分るように、最初から答えを出してタンタンと進めるのではなく、実習生に考えさせるという工夫が随所に織り込まれています。
さて、プログラミングに掛かる前に出された先生からの質問では、「自信がある人⇒数名、自信が無い人⇒数名」という反応でした。そして、図3)は、ある受講生のプログラムの事例、同様に図4)は、成功事例です。
図3)白板を直進し、黒で止めて、ランプ点滅
図4)白板を直進し、黒で止めて、ランプ点滅 成功
しばらくして、受講生の殆どが 「白板を直進し、黒で止めて、ランプ点滅」 に成功し、声を出し両手を挙げて喜んだりしてとても満足そうでした。
(3)画用紙上の凹曲線のトレーシング
この課題も、これまでの復習で、実習生は慣れた手つきで実行していました。図5)はその状況ですが、ここではプログラムの詳細は省略します。。
図5)画用紙上でのライントレーシング
(4)床面に置いた紙面上のカーサーキット状曲線のトレーシング
前記の(3)で作製したプログラムを用いて、図6)の床面に置いた紙面のサーキット状曲線の上を走行させます。受講生は、ヒロ先生が「順番、順番」と注意するほどに、こぞってトライしています。
図6)サーキット状曲線のトレーシング
(5)ピン球を運ぶための荷台の作製
今回のメインのミッションは、「ピン球を車型ロボットに積み、サーキット状曲線に沿って走行し、終点に置かれた透明なタワー状の箱の中にピン球を運び入れる」といういうものです。図7)参照
そのため、受講生は、 「ロボットの上に取付けるピン球を運ぶための荷台を各自で考えて、画用紙とハサミと接着テープを用いて製作する」 必要があります。ヒロ先生から、運ぶときゆらゆら揺れるのでピン球が途中で落ちないように、そしてタワーに当たる前に止めることが大事と助言されました。
図7)サーキット状曲線に沿ってピン球を運び、タワーに入れる
「ipad」を使ってのプログラミングとは異なった思考での創意工夫が必要で、「どうやったらいいか分らへんわー」というようなつぶやきの声やざわめきなどが生じました。しかし、ヒロ先生の「習ったことがなくても、やったことがなくても、トライすることがこれからの人生では凄く大事。失敗しても良いから諦めないでやって見よう・・・!」という励ましや、図8)の他の会場で高校生が作った事例の紹介が行われるなどで、各自がザワザワと紙工作に取り組んでいきました。
図8)高校生の先行作品
紙工作は少々時間が掛かります。ここである保護者の方と助手のアラタ先生の声をお伝えします。
【ある女性保護者】 学校でプリントが配られ、子ども(小3男)が興味を持って希望したので参加させました。これまでは考えられなかったことでもあるし、楽しそうに取り組んでいるので良かったと思っています。私もやってみたいと思うけど・・・!? 一寸難しいかも。(笑い)
【アラタ先生】 本職はプログラミングエンジニアで、開発を長くやっています。子ども達に教えることが楽しいです。
受講生がどのようにして作っていくか興味津々でした。しかし、以外にも途方に暮れる子はおらず、ワイワイガヤガヤと喋りながら、或いは無心で集中し、各自が自分で考えたアイデアでどんどん製作していきます。形は千差万別で参加者数と同じ21通り。 ヒロ先生とアラタ先生が、ぐるーり、ぐるーりと見回って助言しています。図9,10)参照
図9)全員が紙工作で荷台を作製
図10)紙工作の荷台の1例
十数分後、製作が完了した受講生からピン球運びにトライしていきました。途中でピン球が落ちたり、うまく到着してもピン球がタワーの中に落ちなかったりとイロイロです。でも、諦める事は無く、改造に取り組んでいます。
講習終了10分前に成功第1号が発生。続いて2人目がバンザイしていました。11時30分までの講習時間が十数分過ぎても必死で取り組む受講生も沢山いて、最終的には3~4人が成功していました。
図11~13)は、ピン球運びに次々とトライしている様子です。
図11)途中でピン球が落下して失敗
図12)無事到着するも、ピン球が落ちず失敗
図13)成功して飛び上がって喜ぶ
◆4回目講座の終了に当たって
ヒロ先生から、「今日は工作もあって楽しかったと思います。皆ナイスチャレンジ。素晴らしかった。一寸やってみると新しいアイデアも浮かんできます。作品は持って帰ってOKです。宿題をするときに1分間だけでも考えてみて、次回の8月10日にはバージョンアップで再トライしてください」 という話で締めくくられました。
なお、最終回は、「ロボットで相撲をします・・・!」とのこと。
筆者の感想:プログラミングして実際に走らせることと、荷台を作ってピン球を運んでタワーに落とし込むということの脳の働きは恐らく別物だろうなと考えながらみていました。いずれにしろ、受講生たちの柔軟な発想と果敢な挑戦に感銘を受けていた次第です。次回の8月24日の最終回が楽しみです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。