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施政方針(令和5年度)

印刷ページ表示 更新日:2023年3月1日更新
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 施政方針とは、市政運営にあたり、市長の市政運営に対する基本的な考え方や予算案及び主要な施策について述べたものです。
 

施政方針(令和5年3月1日市議会定例会)

 令和5年度の当初予算案の説明に先立ち、今後の市政運営について、私の所信の一端を申し上げ、議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 まず、国内の経済状況として、持ち直しの動きが続いてはいるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による外需の低迷などにより、一部に弱さも見られている状況です。

 先行きについても、ウィズコロナの下、各種政策の効果もあり、景気が持ち直していくことが期待されている一方で、海外景気の状況や歴史的な物価上昇など、景気の下振れリスクもはらんでおり、引き続き不透明な状況は続くものと見込まれています。

 また、コロナ禍において、出生数が急激に減少するなど、加速する少子高齢化・人口減少といった社会課題も浮き彫りとなりました。政府は、こうした社会課題の解決と経済成長を同時に実現し、変化に対してより強靭で持続可能な経済社会へ変革すべく、人への投資の抜本強化、科学技術・イノベーション、グリーントランスフォーメーション、デジタルトランスフォーメーションといった成長分野への重点投資、少子化対策・子ども政策の充実などを掲げ、強力に進めていくとしています。

 本市においては、地域通貨「モックルコイン」を活用したプレミアム付きモックルコイン事業をはじめ、市民や事業者の皆さまを支える幅広い支援策を実施したことにより、市民生活の下支えや地域経済の活性化に一定の効果があったものと認識しています。しかしながら、長期化するコロナ禍、及び物価や燃料費高騰の影響により、依然厳しい経済状況が続いています。今後においても、引き続き、市民の皆さまが安心して暮らせるまちづくりの推進に取り組みます。

 本市は数多くの歴史文化遺産に恵まれており、昨年は、京都国立博物館において特別展が開催されたことで、注目を集めたところです。特別展の開催をきっかけに、私自身、本市の持つ資源の豊富さを改めて実感し、誇らしさを感じました。今後においても、本市が持つ豊かな資源に改めて目を向け、最大限に活用し、市民の皆さまにとって誇れるまちづくりを進めます。

 さらに、政府の進める少子化対策・子ども政策の動向を注視しながら、本市における教育・子育て環境のさらなる充実に取り組むことで、「子育てのまち」として、子育て世代中心の移住・定住促進等にも注力します。

 令和5年度においても、資源を活かして工夫を重ね、新たな価値を創造するまち「スマートシティ」の実現に向けて、快適に暮らせるまち「スマートライフ」、観光で訪れるまち「スマートツーリズム」、効率的で便利なまち「スマートガバメント」の3つを柱に取り組みを進め、人々に選ばれるまちづくりを推進します。

 さて、令和5年度の当初予算について、歳入面では、市税収入において、感染症の影響による落ち込みが令和4年度当初予算で想定していたほどではなかったため、前年度比較で増加しています。しかしながら、引き続き少子高齢化や人口減少の影響もあることから、令和4年度の最終予算と比べると、令和5年度の市税収入は減少する見込みとなりました。

 また、歳出面では、高齢化の進展に伴う社会保障関係費の増加を見込むとともに、国際的な原材料価格の上昇を背景とした物価高騰への対応などを想定しています。したがって、依然として厳しい財政状況での令和5年度予算編成となりました。

 このような状況の中、今後も持続可能な行政経営を行うため、引き続き「包括予算制度」のもと、特別職を中心とした「予算編成会議」を設け、「現場視点」による事業の見直しと、「全庁視点」による横断的、全庁的な取り組みを進めながら、十分に議論を重ね、「収支均衡の予算編成」を行いました。

 令和5年度予算の要点については、提案理由の中でご説明申し上げますが、予算総額は、一般会計で 390億7,400万円、特別会計で 374億2,592万6千円、合計しますと 764億9,992万6千円となっています。

 それでは、令和5年度の主要な施策の概要について、ご説明申し上げます。

 はじめに、快適に暮らせるまち「スマートライフ」に関する施策について、ご説明申し上げます。

 まず、健康で暮らしやすい地域づくりのうち、子育ての取り組みについては、未来を担う子どもたちの健やかな成長を一層支援し、子育て世帯の経済的負担の軽減を図り、子育て環境を充実させます。具体的には、子ども医療費助成事業の助成対象年齢を18歳到達年度末まで拡充するため、早期実施に向けた準備を進めます。また、聴覚障がいの早期発見と早期療育に繋げるため、新生児に対する聴覚検査費用の助成を新たに実施します。さらに、保護者の子育て及び就労の両立を支援するため、民間による放課後児童会開設に対する整備費用を助成し、子どもたちの新たな居場所づくりに取り組みます。

 教育については、英語村構想事業として、これまでの取り組みを継続しながら、本市オリジナルの動画教材を活用して基礎的な技能の定着を図ります。幼児期から継続的に英語に触れることのできる様々な機会を提供することで、子どもたちの英語によるコミュニケーション能力向上を促進します。

 学校の小規模化への対応については、まず南花台地区において施設一体型小中一貫教育推進校の整備に取り組みます。加えて、加賀田小学校と加賀田公民館の施設を一体化する複合化に関して、地域の声を取り入れた基本計画に基づき、取り組みを進めます。

 さらに、共働き世帯が増え、社会構造が変化する中、中学校全員給食は重要な課題であることから、全員給食の実施に向け、給食センター整備の基本計画を策定します。

 南花台地区をモデルとしたスマートエイジング事業については、南花台地区に留まらず、市域全体のまちづくり事業へと発展させ、市民生活の質の向上に取り組みます。南花台地区においては、これまで実施してきた住民主体の様々な取り組みに加え、自動運転技術も活用した移動支援サービス「南花台モビリティ クルクル」等を持続的な取り組みとするべく、「丘の生活拠点」としての機能を充実させます。他にも、UR団地集約跡地を活用した(仮称)南花台中央公園の整備に取り組むとともに、サッカーチームとの連携によるまちづくりを引き続き積極的に進めることで、まちの魅力向上を図ります。

 市域全体における取り組みとしては、先端技術を用いた遠隔診療の実施に向けた実証事業を進め、生活利便性を高め、安心して暮らし続けられるまちづくりに繋げます。さらに、充実した教育・子育て環境など、本市が持つ本来の魅力を最大限に活かし、市民にとって誇れるまち、市外の方にとって訪れたくなるまち・暮らしたくなるまちへ、市のイメージ向上を推進します。

 次に、誰もが安心して暮らせる地域福祉の充実に向け、複雑化・複合化した課題を包括的に受け止め、適切に支援していくための体制強化を図ります。ひきこもりについては、潜在的な支援ニーズの掘り起こしを行うとともに、適切なアプローチや相談の実施など、支援体制を充実させます。また、ヤングケアラーについては、多様な関係機関の職員向けに研修等を実施することで、ヤングケアラーの早期発見と適切な支援に繋げます。

 さらに、地域福祉の担い手である民生委員について、協力員を設置することで、民生委員の負担軽減と新たな担い手人材の育成に繋げ、地域福祉を推進します。

 環境にかかる取り組みとしては、2050年までにゼロカーボンを達成するため、新たに民間事業者・個人向けの補助事業を展開し、再生可能エネルギーの導入及び温室効果ガス排出量の削減により、脱炭素社会に向けたまちづくりを推進します。また、様々な補助制度の周知と普及啓発を効果的に行うことによって、脱炭素にかかる市民意識の醸成と行動喚起を促します。

 安全・安心の取り組みに関して、近年の気候変動の影響による降雨量の増加などが確認されているなか、想定し得る最大規模の降雨に対応した浸水想定区域を災害ハザードマップに反映します。また、国による避難情報の発令区分の変更などの情報を掲載し、日ごろからの備えや防災に対する意識の向上を図ります。

 さらに、過去の災害時の教訓も踏まえた対応策について広く周知することで、災害時の課題の解消や迅速な復興が可能となるよう、取り組みます。

 続きまして、観光で訪れるまち「スマートツーリズム」に関する施策について、ご説明申し上げます。

 まず、現在本市で認定を受けている3つの日本遺産「中世に出逢えるまち」「女性とともに今に息づく女人高野」「葛城修験」を最大限に活用し、関係市町村と連携を深めながら、認知度向上のためのプロモーションや交流人口の増加に向けた取り組みを進めます。また、世界かんがい施設遺産に認定された「寺ケ池・寺ケ池水路」、つなぐ棚田遺産に認定された「惣代の棚田」などを活用し、市外からの観光客誘致を促進します。

 他にも、道の駅「奥河内くろまろの郷」について、優先駐車スペースからトイレ、ビジターセンターまでの経路に屋根を設置し、本市の観光ハブ拠点として利用者が快適に施設を利用できるよう整備を進めます。

 次に、産業振興として、市内事業者の事業拡大や市外事業者の転入促進に繋げるため、河内長野市商工会をはじめ、多くの事業者からご要望を頂いている産業用地の確保に向けた取り組みを進めます。さらに、市内事業者が工場見学等により会社を外に開くオープンカンパニーを実施することで、魅力を広く発信し、販路拡大や人材確保等に繋げるとともに、事業者同士の連携によるイノベーションを促進し、市内事業者の競争力強化に取り組みます。

 また、本市の課題である交通の利便性向上を図るため、堺方面へのアクセス道路の整備に向けた取り組みを進めるとともに、大阪南部高速道路の事業化に向けて、関係機関などと連携しながら、引き続き積極的に国や府に働きかけます。

 加えて、小山田西地区及び高向・上原地区におけるまちづくりに関して、本市の将来像を見据えながら土地利用の促進を図るとともに、河内長野駅周辺の中心市街地活性化について、地域の意向も確認しながら進めます。

 最後に、効率的で便利なまち「スマートガバメント」に関する施策について、ご説明申し上げます。

 まず、市民の利便性向上や行政事務の効率化に向けて、デジタル化に積極的に取り組みます。行政手続きのオンライン化や窓口デジタルトランスフォーメーションを推進し、行かない、書かない、待たないの「3ない市役所」を進めます。また、自治体情報システムの標準化・共通化、そして、AI・RPAなどをはじめとした先端技術の活用を推進し、業務の効率化を図ります。また、マイナンバーカードの普及・利活用を促進します。

 農業分野では、農地所有者の今後の農地利用意向を集約した地図を、インターネットにより広く公開することで、貸付希望農地を可視化し、市内外からの農地の担い手確保に繋げるとともに、耕作放棄地の拡大抑制を図ります。

 次に、公共施設等の今後の方針や計画に関して、令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画、及び同計画の実施計画となる、各個別施設計画や長寿命化計画に基づく適正なマネジメントを進めながら、引き続き市有財産の売却や貸与による歳入確保にも努めることで、持続可能な行財政運営を継続します。

 また、財源の確保としては、ふるさと納税について、改めて市内事業者等と連携し、魅力的な謝礼品の充実に積極的に取り組みます。また、企業版ふるさと納税の拡大にも注力するなど、市外事業者との連携も強化し、公民連携による民間活力を導入します。

 さらに、従来の公民連携に加え、企業版ふるさと納税人材派遣型などの枠組みも活用し、民間事業者のノウハウ活用や関係人口の創出・拡大にも取り組むことにより、地方創生、地域活性化を推進します。

 以上、主要な施策について、その概要を申し上げました。

 令和5年度においても、引き続き新型コロナウイルス感染症や物価高騰などの影響が続くことが予想されますが、このような状況下であるからこそ、資源を活かして工夫を重ね、新たな価値を創造するまち「スマートシティ」の実現に向け、着実に取り組みを進めます。

 振り返りますと、私は市長就任以来、本市がまさに高齢化という社会潮流の最先端を突き進む先進都市であるという認識のもと、他の自治体に先駆けて課題解決のモデルを構築すべく、取り組んでまいりました。

 今後においても、業務の効率化や新たな財源の確保に努めながら、引き続き課題の解決を図り、市民の皆さまが安心して暮らせるまちづくりを推進します。

 さらに、自然や歴史文化など、これまでも認知度向上に取り組んできた本市の資源はもちろん、犯罪発生率の低さや地盤の強さなどを誇る安全・安心なまちであること、教育・子育て環境が充実していることなど、本市が持つ多くの魅力を最大限に活かしたまちづくりを推進することで、市民の皆さまが誇れるまち、また人々に選ばれるまちとしての認知向上を図ります。

 今後とも、議員の皆さま並びに市民の皆さまとともに、本市のさらなる発展に向けて鋭意取り組んでまいりますので、なお一層のご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 令和5年3月1日

河内長野市長 島田智明

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