ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
大阪府河内長野市役所 > 市長の部屋 > 施政方針(令和2年度)
市長の部屋

本文

施政方針(令和2年度)

印刷ページ表示 更新日:2020年2月28日更新
<外部リンク>
 施政方針とは、市政運営にあたり、市長の市政運営に対する基本的な考え方や予算案及び主要な施策について述べたものです。
 

施政方針(令和2年2月28日市議会定例会)

 令和2年度の当初予算案の説明に先立ち、今後の市政運営につきまして、私の所信の一端を申し上げ、 議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 まず、国内の経済状況を概観しますと、令和元年10月に実施されました消費税率の引き上げにあたり、軽減税率制度や臨時・特別の措置など各種の対応策が講じられたことで、今後においても緩やかな回復が続くことが期待されております。しかし、米中経済摩擦の激化や中国経済の影響による下方リスク、さらに最近では新型コロナウイルスの感染拡大の影響などもあり、好調を続けてきたインバウンドも激減するなど、先行きは不透明な状況でございます。

 一方で、東京オリンピック・パラリンピックや、関連して日本文化を発信する日本博が開催されるなど、2020年に訪日外国人旅行者数が4千万人を超えることを目標に掲げ、日本全国で様々な取り組みが計画されております。

 また、外国人材の受け入れ拡大や小学校5,6年生における英語の教科化など、国際化の動きが加速する中で、2025年には、命輝く未来社会のデザインをテーマとした大阪・関西万博が開催されます。本市におきましては、国際化への取り組みを進めるために「国際化・多文化共生ビジョン」を策定し、国際化に対応できる人材の育成や幅広い国際交流の促進、多文化共生のまちづくりを推進し、交流人口の増加、ひいては定住人口の維持に結び付けてまいります。

 さて、令和2年度の当初予算につきまして、歳入面では税制改正による法人市民税の減少を見込む一方、歳出面では高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増加や幼児教育・保育の無償化に伴う認定こども園への給付費の増加などを見込んでおり、依然として厳しい財政状況での編成となりました。

 このような状況の中、今後も持続可能な行政経営を行うため、引き続き「包括予算制度」のもと、特別職を中心とした「予算編成会議」を設け、「現場視点」による事業の見直しと、「全庁視点」による横断的、全庁的な取り組みを進めながら、十分な議論のうえ、「収支均衡の予算編成」を行いました。

 令和2年度予算の要点につきましては、提案理由の中でご説明申し上げますが、予算総額は、一般会計で 356億7,400万円、特別会計で 360億7,806万円、合計しますと 717億5,206万円となっております。

 市長に就任して1期目の最終年度を迎えるにあたり、令和2年度におきましても、資源を活かして工夫を重ね、新たな価値を創造するまち「スマートシティ」の実現に向けて、快適に暮らせるまち「スマートライフ」、観光で訪れるまち「スマートツーリズム」、効率的で便利なまち「スマートガバメント」の3つを柱に、引き続き魅力あるまちづくりを推進してまいります。それでは、令和2年度の主要な施策の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 はじめに、快適に暮らせるまち「スマートライフ」に関する施策について、ご説明申し上げます。

 まず、安全・安心の取り組みにつきまして、公共施設に配置しているAEDに加え、営業時間の長い市内のコンビニエンスストアにAEDを配置することにより、昼間はもとより深夜における使用も可能とすることで救命率の向上を図ってまいります。

 また、聴覚や発語に障がいのある方が緊急通報できるシステムの整備や、本市に住んでおられる外国人及び観光で訪れた外国人からの緊急通報に対応する多言語通訳サービスの導入など、緊急時における通報体制の強化に努めてまいります。

 さらに、全国で高齢者が運転する自動車の事故が多発していることから、後期高齢者の運転免許証自主返納を推進するため、免許返納された方にバスやタクシーで使用できるチケットを配布し、交通安全と公共交通の利用促進に努めてまいります。

 次に、災害に強いまちづくりとして、相次ぐ自然災害の教訓を踏まえ、令和元年度から進めている地域防災計画の見直しを継続するとともに、災害発生時の避難所施設の環境を整えるため、マンホールトイレを計画的に設置し、災害への対応力強化を図ってまいります。

 また、土砂災害特別警戒区域内の住居を対象とした補助制度として、令和元年度から移転にかかる費用の一部を助成する制度を創設しております。令和2年度におきましては、移転に加え建物を補強した場合においても補助の対象となるよう制度の拡充を図ってまいります。

 さらに、局所的な大雨や大規模な地震によりため池が決壊する被害が全国で発生していることから、水防ため池にかかるハザードマップを作成し、周辺住民と情報を共有することで危機意識の向上を図るとともに、被害の防止に努めてまいります。

 次に、健康で暮らしやすい地域づくりとして、令和3年3月までに、大阪南医療センターの敷地内に新保健センターを建設し、休日急病診療所、乳幼児健診センター、保健センターの3施設を移転させ、大阪南医療センターを核とした保健・医療機能の集約により、救急医療体制の確保、母子保健事業や健康増進事業などの連携強化を図ってまいります。なお、保健センター跡地の活用につきましては、市民の声を聴きながら河内長野駅周辺の活性化につながる有効な活用方法を検討してまいります。また、乳幼児健診センターの跡地につきましても、健康支援センターと一体的に活用し、健康増進機能を維持しながら民間活力の導入を進めてまいります。

 他にも、大阪府が実施している健康サポートアプリ「おおさか健活マイレージ アスマイル」に対して、本市独自にポイントを上乗せするなど利用促進に努めることで、健康的な生活習慣を身につけていただき健康増進につなげてまいります。

 さらに、受動喫煙や路上での喫煙によるたばこのポイ捨てを防止するため、河内長野駅、千代田駅、三日市町駅の周辺において喫煙対策を推進し、市民の健康増進とまちの環境美化につなげてまいります。

 また、ごみ出しに困られている高齢者や障がい者等の世帯を対象に実施している「ふれあい収集」につきまして、「もえるごみ」や「資源ごみ」に加えて「もえないごみ・粗大ごみ」を対象にすることで、暮らしやすいまちづくりに努めてまいります。

 次に、定住・転入促進の取り組みとして、これまで実施している親子の近居同居促進マイホーム取得補助制度を拡充し、祖父母や兄弟と近居同居する子育て世帯も対象とすることで、さらなる定住・転入の促進に努めてまいります。

 南花台スマートエイジング事業につきましては、UR団地集約跡地の活用による地域活性化を進めるなど、「丘の生活拠点」としての機能充実を図ってまいります。さらに、昨年12月にAI予約システムを用いたデマンド型電動乗合カート「南花台モビリティ クルクル」の実証運行が開始されましたが、令和2年度は自動運転移動サービスの実証実験に着手してまいります。

 子育ての取り組みとしましては、子どもを安心して産み育てられる環境を整えるため、市内保育所の建て替えにあたり保育定員の拡充を推進し、待機児童対策に取り組みます。また、引き続き、子ども・子育て支援センターあいっくを中心として、子育て世帯の不安解消や孤立防止、児童虐待防止も含めた総合的な子育て支援を推進してまいります。

 教育につきましては、令和2年3月をもって終期を迎える現行の教育大綱を1年延長し、令和2年度において第2期教育大綱を策定します。第5次総合計画との整合を図るとともにめまぐるしく変化する社会情勢に対応しながら、教育水準の向上をめざし、本市として特色ある教育の推進に取り組んでまいります。

 また、英語村構想事業として、モバイル英語村をはじめとした英語教育の充実や、英検など外部試験の受験補助を実施するなど、児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の向上を図り、加えて、タブレット端末の活用を見据えた校内通信ネットワーク整備を進め、ICTを活用した学習環境を整えることで、教育環境の向上にも取り組んでまいります。

 さらに、共働き世帯が増え、社会構造が変化する中、大阪府内の約3分の2の自治体が中学校全員給食を実施している現状を考慮しますと、中学校全員給食は重要課題であり、全員給食について調査・研究してまいります。

 続きまして、観光で訪れるまち「スマートツーリズム」に関する施策について、ご説明申し上げます。

 まず、日本遺産のまちとしての認知度を拡大するため、日本遺産に認定されたストーリーを活用した観光振興として、観光魅力の発信強化などを行い、インバウンドの誘致も含めた交流人口の増加に努めてまいります。また、新たな日本遺産「女人高野」の認定をめざし、宇陀市、九度山町、高野町の3市町と連携しながら積極的に取り組むことで、さらなる観光振興と地域の活性化につなげてまいります。

 さらに、楠木正成・正行親子の生き様を描いた「楠公さん」大河ドラマの実現をめざし、約60の自治体からなる誘致協議会だけでなく、寺社や民間企業・団体等から成る楠公ツーリズム推進協議会とも連携を図りながら、誘致に向けた署名活動やPR活動を意欲的に展開してまいります。

 他にも、河内長野シティマラソンについて、スポーツツーリズムの要素を取り入れた大会とすることで、地域の活性化と交流人口の増加を図ってまいります。加えて、本市を中心に撮影された映画「鬼ガール!!」が令和2年秋に公開されるにあたり、地方創生に向けた様々なイベントが企画されており、公民連携を強化してまいります。

 次に、産業振興の取り組みとしましては、市民が事業所等の見学や体験を通じて事業内容等を知ることができるオープンカンパニー事業を実施することで、市内事業者の魅力発信と人材の確保に努めてまいります。また、市内事業者の事業規模の拡大や市外事業者の転入を見据えた産業用地の整備に向けて、検討を進めてまいります。

 道の駅「奥河内くろまろの郷」につきましては、本市における観光振興のハブ拠点に位置付けており、他の観光資源とのネットワーク化を図るため、デジタルサイネージなどを活用した観光情報発信機能の強化や魅力向上につながる取り組みを進め、さらに、重点道の駅登録に向けてサイクリストの拠点整備を行うなど、交流人口の増加につなげてまいります。

 次に、まちの基盤づくりとしては、現在工事を進めている日野加賀田線の令和2年度中の完成をめざし、交通道路網の充実による地域活性化と、災害時における緊急交通路の安全性確保に努めてまいります。また、大阪河内長野線や堺アクセス道路の整備促進に向けた取り組みを積極的に進めるほか、大阪南部高速道路の事業化に向けて、関係機関などと連携しながら推進してまいります。

 さらに、小山田地区及び上原・高向地区におけるまちづくりについて、本市の将来像を見据えながら土地利用の促進を図ってまいります。加えて、河内長野駅、千代田駅、三日市町駅の主要三駅における駅周辺の活性化について、検討してまいります。

 最後に、効率的で便利なまち「スマートガバメント」に関する施策について、ご説明申し上げます。

 まず、市役所庁内における窓口業務につきまして、住民票の発行やごみシールの販売など、利用頻度の高い手続きを集約した市民総合窓口のサービス拡充に努め、市民の利便性向上を図るとともに、2月から実施しているアウトソーシングの対象に関しましても順次拡大してまいります。

 また、期間限定で市役所施設の一部を一般開放し、市民の皆さまが親しみの持てる環境づくりを検討してまいります。

 さらに、職員の出退勤管理につきまして、紙のタイムカードから職員証を兼ねたICカードへ変更することにより、時間外勤務の適正な実施とワークライフバランスの推進、職務効率の向上を図ってまいります。

 次に、公共施設の再配置計画に関しまして、その実施計画となる個別施設計画の策定に取り組んでおり、令和2年度におきましても継続して進めてまいります。

 また、一部の施設で導入されたネーミングライツにつきましては、引き続き拡充に取り組み、未利用の市有財産に関しましても、売却や貸し付けなどにより、財源の確保に努めてまいります。

 さらに、令和元年度において寄付額3億円を超えたふるさと納税につきましては、市内事業者等と連携しながら謝礼品の充実を図るとともに、PRの強化に取り組み、本市の魅力発信とさらなる歳入の確保に努めてまいります。

 最後に、平成28年度に策定しました第5次総合計画につきまして、令和2年度に前期基本計画の最終年度を迎えることから、これまでの5年間の検証を行います。また、SDGsの推進やSociety5.0などの新たな考え方を踏まえ、今後の5年間を見据えた後期基本計画を策定し、引き続き将来にわたり持続的に発展できるまちづくりに取り組んでまいります。さらに、まち・ひと・しごと創生総合戦略や国土強靭化地域計画につきましも、第5次総合計画後期基本計画と整合を図りながら、定住転入の促進や防災・減災への取り組みを推進してまいります。

 以上、主要な施策につきまして、その概要を申し上げました。

 令和2年度は、市長就任からおよそ3年半が経ち、1期目を締めくくる節目の年になります。振り返りますと、市長就任後に身の引き締まる思いで行った所信表明におきまして、「改革」「福祉」「子育て」「観光」「財政」「役所」の6つの柱を中心に、市民の幸せづくりに向けてスピード感を持ってまちづくりを進めることを述べさせていただきました。これまで、市民目線による市政改革、健康寿命延伸への取り組み、安心して子育てできる環境の整備、日本遺産をはじめとする観光振興、今後の河内長野市の行政経営の基盤となる財政の健全化、市民サービスの向上などに努めてまいりました。

 また、冒頭にも述べさせていただきましたとおり、資源を活かして工夫を重ね、新たな価値を創造するまち「スマートシティ」の実現に向けて、全庁挙げて取り組んでいるところでございます。人口減少と少子高齢化が進行する本市におきまして、取り巻く行財政環境は非常に厳しい状況ではございますが、引き続き、市政改革に努めるとともに、施策の選択と集中を図りながら、今後も市民が安心して元気に暮らせる魅力あるまちづくりを推進してまいります。

 これまで「おしゃべり集会」を通じて、多くの市民の皆さまから貴重なご意見等を頂戴いたしました。令和2年度におきましても、引き続き直接対話の機会を設け、市民の皆さまの声を市政に反映してまいります。

 今後とも、議員の皆さま並びに市民の皆さまとともに、本市のさらなる発展に向けて 鋭意取り組んでまいりますので、なお一層のご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 令和2年2月28日

河内長野市長 島田智明

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)