職員採用 バス無料デー ご遺族サポート窓口が予約制に ふるさと納税 内部統制
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令和8年度当初予算案の説明に先立ち、今後の市政運営につきまして、私の所信の一端を申し上げます。
先日2月22日、「河内長野市若者ミライプロジェクト」が企画した初イベント「蚤の市」に参加しました。このプロジェクトは河内長野を本気で良くしたいと考える15歳~34歳の若者が公募で集まり、グループ主体でまちづくりに参画するという試みです。
そのイベントの中で、「現市長とミライの市長の対談」というコーナーがあり、対談した相手は19歳の現役女子大生でした。その対話の中で、「河内長野市が消滅可能性自治体に選ばれてしまったことで、当初受験する予定だった大学を変更して、政治学やまちづくりを学べる学部のある大学に入学した」というお話をされました。若い世代の人たちが、まちづくりを自分事として捉え、熱い気持ちを抱いてくれていることに胸が熱くなりました。
そして、彼女はこうも語りました。「関わる数が増えれば、地域のつながりが広がり、活動がより楽しくなる」と。これこそが、シビックプライドが醸成された瞬間であり、つながりの中で自分のあり方に幸せを見出す自己存在的な幸福感、まさに本市が目指すウェルビーイングです。
令和8年度からは、いよいよ本市の10年後の未来に向けた羅針盤となる「河内長野市第6次総合計画」が始動します。
対談した19歳の女子大生が29歳になる10年後、彼女たちが思い描いた河内長野になれているのか?10年後には、みんなの「ふだん」が元気にあふれ、「じぶん」が活きるまちであるために、令和8年度は「新たな一歩を踏み出す元年」となります。
市の最上位計画でもある新たな総合計画では、近年生まれている、 “明るい兆し”を“確かな光”へと進化させるため、「ふだんを生きる、じぶんが活きる。知るほど暮らすほど「好き。」が深まる千年都市。」という理念のもと、市民一人ひとりが心豊かに暮らせるウェルビーイングなまちの実現を目指します。
そして、本市の最大のミッションでもある消滅可能性自治体からの脱却に向けて、「消滅回避“先進市”」として、常にチャレンジし続けます。
さて、昨年4月の大規模な機構改革では、より効果的・効率的で質の高い行政運営を実現するため、4つの局を新設し、組織基盤を強化しました。
部局横断的に意思疎通を図り、局間との連携を強化しながら、課題解決に向け、迅速かつ柔軟に対応できる組織体制を構築しました。「攻め」と「守り」を明確化したことにより、「変化が必要な施策」と「寄り添う施策」の双方において、推進力が増しました。日々、市民の皆さんの市政に対するご期待を実感するとともに、市民サービスの向上にも貢献できていると考えており、市議会の皆さまのご理解とご協力にあらためて感謝申し上げます。
なお、令和8年度からは、部局横断的に取り組む象徴的な施策の一つとして、「シェアリングエコノミー」の考え方のもとで「シェアリング事業」を推進します。「シェアリングエコノミー」は主に、スペース、スキル、カネ、モノ、移動手段の5つの分野に分類されます。
「スペース・シェアリング」とは常時使われていない空間を時間単位や日単位で共有することを意味します。取り組みの例として、市庁舎正面玄関のモックル・フルル広場や庁舎1階の市民サロンを有料で貸し出し、空き空間を共有することで、公的リソースの最大化を図ります。
また、職員間の会議室不足を解消するため、私が出張などで在籍していない時間は市長室を開放し、会議スペースとしてシェアします。市長車についても職員とシェアします。
「スキル・シェアリング」とは人材が持つ才能を社会全体で最適配置することを意味します。これは、自治体が制定する条例としては、全国初となった職員兼業推進条例の理念にも合致するものです。
人材のシェアは可能性を広げます。そのため、本業のスキルを活かして、社会に貢献する「プロボノワーク」や、自分のスキル、時間、資産を他人に提供(共有)して働く「シェアワーク」を推進します。
プロボノとは仕事で培ったスキルや経験を活かして、社会貢献活動を行うことです。ラテン語の「Pro Bono Publico(公共善のために)」が語源で、有償による活動もあれば、無償による活動もあります。
プロボノとして働く人を「シェアワーカー」として位置付けます。地域が持つ人材のスキルを市役所の業務に活かす、一方で、時として、市役所の職員が地域に「シェアワーカー」として社会貢献活動を行うことを推進します。
令和8年度から市役所の職場環境改善を目的に、兼業・副業人材の活用に乗り出し、民間人材から公募を行います。
多様な働き方の選択肢が増え、ウェルビーイングが高まることで、“新しい一歩、踏み出し放題。”の河内長野を目指します。そして、そうした取り組みを通じて、定住人口の増加、関係人口の創出にもつなげてまいります。
これから申し上げます施政方針につきましては、新たな総合計画が始動する初年度の施策として、その理念を具現化し、着実に未来を築き上げるための重要な土台となるものです。
「リフォーム&サステナブル予算」
令和8年度の当初予算について、歳入面では、物価の上昇を踏まえ、地方消費税交付金などの増収を見込むものの、歳出面において、引き続き高齢化の進展などに伴う社会保障関係費の増加、また、物価高騰に伴う経費の増加が見込まれ、極めて厳しい財政環境下での予算編成となりました。
このような状況の下、今後も持続可能な行政経営を行うため、「当たり前を疑う」ところから始め、既存施策を総点検の上、見直しを図り、財源の捻出に努めました。ここでも、局制のメリットを活かした横断的な連携を促しながら、当初予算を編成しました。
令和8年度予算を一言で申し上げるならば、「リフォーム&サステナブル予算」です。これまで、行政の予算は「スクラップ&ビルド」という表現が多用されましたが、本市では「改善」や「再編集」を表す「リフォーム」と「持続可能」を意味する「サステナブル」の考えのもと、新たな予算編成を行いました。
この考えに基づき、将来的な財源の確保やランニングコストも見通した上で、重要なターニングポイントを迎える今だからこそ、「河内長野版 責任ある積極財政」の観点から、子育て・教育予算へのさらなる拡充も視野に、まちの好循環を生み出す戦略的な施策を推進します。
令和8年度予算の要点については、提案理由の中でご説明申し上げますが、
予算総額は、一般会計で 492億2,800万円
特別会計で 424億8,491万7千円
合計しますと 917億1,291万7千円
となっています。
それでは主要な施策の概要について、局ごとに、ご説明申し上げます。
地域資源の活用により行政経営の基礎構築を目指す「総務経営局」
はじめに、地域資源の活用により、行政経営の基礎構築を目指す「総務経営局」で実施する施策について、ご説明申し上げます。
まずは、いじめ問題への対応です。これまでの “教育的アプローチ”に“行政的アプローチ”を加え、市長部局に専門人材を配置した「専用相談窓口」を設置します。いじめを人権問題と捉え、すべての子どもの相談に応え、いじめの即時停止を図ります。
「教育」と「行政」の2つの相談ルートがあることで、相談者の望む形が選択可能となり、いじめのない平穏に学べる環境を整備します。
市民生活の利便性向上に向けては、スマート市役所の実現を目指したフロントヤード改革を引き続き推進し、“行かない・書かない・待たない”窓口を実現します。
コンビニ交付手数料を期間限定で100円に引き下げ、利用を促進します。また、電子申請フォームの機能を拡充し、申請手続きの利便性を向上させることで、暮らしの中の「できる。」を増やし、快適に自分の生活に合った選択ができるよう支援します。
スマート市役所の実現とともに、「手のひら市役所」をキーワードに、手のひらで操作可能なスマートフォンやタブレットから申請や登録などが完結できる市役所を目指し、日々アップデートしてまいります。
併せて、これらの取り組みによる市民の利便性向上と窓口業務の効率化を受け、令和8年8月から市役所窓口の受付時間を見直し、午後4時30分までとします。1時間短縮することで、職員の業務改善の時間を確保し、今後の市民サービスの向上を図ります。
そして、高騰する人件費を抑制し、職員ウェルビーイングを推進することが目的です。
また、公共施設などの今後の方針や計画に関しては、公共施設等総合管理計画や、各個別施設計画、各種長寿命化計画に基づく適正管理を進め、“サクセスフルなサステナブル”、すなわち、“持続可能なまちづくり”を追求してまいります。
安心・安全・快適を追求する「都市環境安全局」
続いて、安全・安心・快適を追求する「都市環境安全局」で実施する施策について、ご説明申し上げます。
本市が最も誇る“揺るがない安全と安心感”を今後も守り抜くため、災害への備えのほか、防犯や交通安全など、市民の生活を見守る施策を総合的かつ部局横断的に取り組みます。
令和7年は犯罪発生率が府内33市中最小のまちを維持できず、残念ながら発生率の低い順で4番目となりました。これは、近年急増する特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害が市内で多数発生したことに起因するものであり、街頭において身近な犯罪が増えたという状況とは異なり、市民の不安感が増幅しているというものではありません。
しかしながら、これら特殊詐欺などの被害に関しては、看過できない状況であることから、安心統括監を中心に特殊詐欺などの発生抑止に向けて全庁的に取り組む必要があります。そのためには、警察署との連携をさらに強化するとともに、最新の犯罪情勢等について市民に周知徹底を図り、令和8年は刑法犯の認知件数を大幅に減少させ、安全・安心なまちを取り戻す決意で取り組んでまいります。
また、警察などの関係機関・団体と連携した交通安全の取り組みとして、「じこヘルさぽーと」の対象をすべての市民に拡大し、自転車利用時のヘルメット着用率の向上を図り、交通安全意識の醸成と死亡・重傷事故の減少に向けた対策を重点的に推進します。
なお、「じこヘルさぽーと」は、2月26日時点で359件の申請をいただいており、利用ニーズが高く、本事業を通じて、市民のさらなる安全・安心につなげてまいります。
防災の取り組みについては、防災行政無線の機器の更新、家具の転倒や通電火災などを防止するための新たな補助制度を創設するとともに、災害時においても水循環システムによる生活用水を確保するなど避難所の生活環境の改善などを進め、“備える力”を高めます。
次に、岩湧の森で急増するナラ枯れなどによる大径木(だいけいぼく)の枯死(こし)について、主要な登山道や人気ルートでも倒木のリスクが生じていることから、早急に危険木の伐採を進めます。ムササビが暮らす森を未来につなげ、訪れた皆さまが安全・安心にご利用いただける森づくりを行います。
令和8年度に全線開通となる広域農道については、農業・農村地域の振興を図ることに加え、災害時の緊急輸送道路としても活用してまいります。
また、開設から長期間が経過した公園施設の再編も継続して実施することで、地域の憩いの場がより魅力的になるよう改善を図ります。子どもたちがおもいっきり遊ぶことができ、大人も憩える公園づくりを進め、地域コミュニティの活性化を図ります。。
本質を探究し、着実な成長を目指す「成長戦略局」
続いて、本質を追求し、着実な成長を目指す「成長戦略局」で実施する施策について、ご説明申し上げます。
昨年設置しました営業部では、「営業部長」のリーダーシップのもと、“まちの価値を売り込む力”と“稼ぐ力”を一層向上させてまいります。
“まちの価値を売り込む力”については、ブランディングをさらに強化し、本市への“愛着”や“誇り”を高めるとともに、まちの魅力を全国に発信してまいります。また、民間企業を中心に本市を積極的にアピールする「公民連携ピッチイベント」を主催し、企業との連携強化を図ります。
“稼ぐ力”については、ふるさと納税収入が、2月26日時点の暫定値となりますが、個人版は約4.6億円で、前年度比約1.1倍となっています。残念ながら、目標の前年度比1.6倍には到達が厳しい状況ですが、過去最高額に迫る数字となっています。
また、企業版については、すでに2億円に達しております。
個人および企業版を合計すると、目標額の10億1,000万円には満たない状況ですが、すでに過去最高の収入額を確保しております。
令和8年度は、令和7年度に注力した返礼品数の拡充や売り方をブラッシュアップし、加えて、寄附者から共感を得られる返礼品開発などのプロジェクトを支援する「新たな補助制度」にも挑戦し、将来的には企業誘致につながる取り組みへと発展させてまいります。
まちの資源を最大限に活用したガバメントクラウドファンディングやネーミングライツの対象施設数をさらに増やすなど、地域振興のための新たな資金確保に積極的に取り組み、“みんなの「好き。」が集まる”ふるさとづくりを推進します。
観光ハブ拠点として位置づけている河内長野駅施設内の「観光案内所・モックルステーション」は、昨年8月にリニューアルオープンしましたが、オープンから今年1月末までの6ヶ月と前年度の同月期と比較しますと、売上げは約5倍に増加し、取り扱い商品数も約50種類から約100種類へと倍増しています。
モックルステーションとモックルテラスの日々アップデートに取り組むとともに、「道の駅 奥河内くろまろの郷」では、令和7年度に駐車スペースの拡張が完了する予定であり、令和8年度は子ども用の複合遊具を設置するなど、観光客を迎え入れる環境整備を進めます。
なお、令和8年度は新たな観光振興計画が始動します。3つの日本遺産の「冠」を活用しながら、「高野山のゲートウェイ」として、高野山を訪れるインバウンドを取り込むことを前提とするなど、ツーリスト目線に立った観光戦略の策定に着手します。
そして、“ここにしかない”時間を求めて訪れた方々の顧客満足度が高まる観光パッケージの創出を目指します。
「(仮称)南花台中央公園」は、令和8年度にいよいよオープンします。スペランツァ大阪と連携したイベントなど、たくさんの笑顔とワクワクするつながりであふれ、いろんな「好き。」との出会いが生まれる場所になるよう整備中です。是非ご期待ください。
本市唯一の総合公園である「寺ケ池公園」のリニューアルについては、市民の皆さまにも自分事として捉えていただき、たくさんの声を反映させた公園整備を目指しているところです。市民が集い、交流や趣味を楽しむことができる環境を提供し、地域コミュニティの強化とともに、ウェルビーイングを体感できる場となるよう整備を進めてまいります。
商店街を含む河内長野駅周辺については、まちの“顔”とも言えるエリアの活力を取り戻すため、旧西條薬局跡地や西商栄通りのにぎわい創出に向けて具体的に動き始めます。産・官・学・地域に加え、アートが融合する“ここにしかない”価値を生み出すエリアへと再生させます。
空き家対策については、補助金交付型から住宅ストック供給型の転入促進へと施策を転換し、空き家の円滑な流通を促進するため、「「空き家×未来」プロジェクト まちの『宝もの』不動産 市役所店」というネーミングの事業を展開し、流通に向けた交通整理や阻害要因を解消するための体制構築を図ります。
そのため、民間の不動産事業者などとも連携を強化し、市役所そのものも不動産事業者のように積極的に能動的に空き家の流動化に取り組み、移住・定住を促進します。
公共交通については、リ・デザイン後の影響調査の結果を踏まえ、交通空白エリアを支援する実証運行を実施し、需要調査を行います。
加えて、民間の福祉施設などが地域貢献として移動支援を支えていただけるよう、さらなるご協力をお願いしてまいります。“好きなときに、好きなところへ”移動できる環境整備を決してあきらめません。
スポーツの振興については、市の新たな魅力を創出するため、インクルーシブスポーツでもあるモルックの大会を開催するとともに、次世代のトップアスリートを応援する「がんばる市民アスリート応援」制度を新たに創設し、市のイメージ向上と市民の市に対する愛着と誇りを高めます。
また、令和8年度から、地域クラブを立ち上げ、中学校部活動を地域へと展開します。競技種目の多様化を図り、府内初となる「ゴルフ部」の創設など、生徒の選択肢を広げるとともに、専門性の高い指導者の派遣や学校間の移動支援を試行します。
産業の振興については、令和8年度に赤峰産業用地の造成工事が完了し、操業予定事業者への引き渡しを開始します。高向・上原地区土地区画整理事業では、区画整理組合と連携し、令和9年度から事業者への引き渡しに向け、着実に事業を進めてまいります。
昨年6月に区画整理組合が設立された小山田西地区については、令和8年度より小山田下里線の整備に向けた用地買収に着手します。大阪府でも、すでに大阪河内長野線の詳細設計に着手されており、関係機関と連携し、令和13年度の供用開始を目指します。
また、大阪南部高速道路の事業化に向けても、引き続き、国・府に対して積極的に働きかけるとともに、関係市町村とも連携し、広域道路網の形成を目指します。
これら産業集積や企業の操業環境の整備を進め、得られた税収増をまちの価値を高める新たな事業に投資することで、将来のまちの好循環を生み出してまいります。
以上、成長戦略に基づき、市民が変化を実感し、未来にワクワクできるまちづくりに取り組んでまいります。
人に寄り添い、社会と向き合う「こどもの未来とウェルビーイング推進局」
続いて、人に寄り添い、社会と向き合う「こどもの未来とウェルビーイング推進局」で実施する施策について、ご説明申し上げます。
子どもたちの笑顔が輝き、子育ち・子育てに希望が持てる環境整備として、まずは、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ります。また、子どもの健やかな成長のサポートや子育て家庭の孤立防止を図るため、令和7年度に試行実施していた「おむつ定期便」について、令和8年度より本格実施いたします。
また、保育施設などへの登園時の荷物を減らす「手つなぎ登園」を引き続き実施するとともに、保育所などが保育士用の宿舎を借り上げる費用への補助や、保育所などへの実習生が負担する経費への補助を行い、保育士確保に向けた支援の充実を図ります。
次に、キタバあやたホール及びくすのかホールについては、赤ちゃんから高齢者までみんなが「ごちゃまぜ」で楽しめる、多世代がつながる拠点「(仮称)地域共生センター」への転換を進めます。令和8年度は、キタバあやたホールの改修に向けて設計を行うとともに、ワークショップなどを通じて、“支えて、支えられて、活かし合い”、「ほっとかへん。」地域を実践できるよう、つながりが広がる施設を目指します。
健康面の取り組みとして、令和7年度から、府内で初めて開始した男性のHPVワクチン接種の全額費用助成について、申込者が増加していることから、令和8年度は、予算を拡大するとともに、接種が可能となる9価ワクチンに対応し、男女問わず予防の選択肢を広げます。
また、令和7年度より65歳以上の高齢者を対象として定期接種の接種費用助成が始まった帯状疱疹ワクチン接種については、罹患率の上がる50代から接種ができるよう、51歳、55歳、60歳の現役世代にも接種費用助成を拡大します。
さらに、すべてのライフステージに向けて、身体的・精神的なウェルビーイングに関する啓発情報を発信する「からだとこころサポートプログラム」の展開と、趣味を広げる段階からの小さな起業や社会活動、留学の支援など、「社会的」「自己存在的」なウェルビーイングを高める取り組みにより、市民があたらしい一歩を踏み出し、“なりたい自分に近づく”ための後押しを行う取り組みを開始します。
誰一人取り残さない「こどもまんなか教育」を実現する「教育委員会」
最後に、誰一人取り残さない「こどもまんなか教育」の実現を目指す「教育委員会」で実施する施策について、ご説明申し上げます。
令和8年度からは、子どもたち一人ひとりの状況に応じた主体的な学びを促進するため、異学年による学習や地域資源を活用した探究的な学びをはじめ、その子らしさとその子のペースを大切にする個別最適な学びとして、自由進度学習などの実践研究を進めます。そして、協働的で対話的な学びを通じて、当事者意識を育み、子どもたち一人ひとりの自己肯定感が高まる学びの環境を整備します。
加えて、中学生を対象とした夏休み期間中の学習支援事業については、対象を現在の3校から全中学校に拡大し、基礎学力の向上と学習習慣の定着を図ります。
また、伝統文化や英語、科学など、地域の教育力を活かしながら、子どもの体験機会の充実を図ります。
令和7年度より準備を進めてきました学校ハビリテーションルームについては、令和8年度から段階的に作業療法士と言語聴覚士などの医療的専門人材を配置し、教育・医療・福祉の連携を具現化します。
作業療法士などのいわゆるセラピストは、その人の状態や気持ちを丁寧にくみ取りながら、“できないことを無理にやらせる”のではなく、“どうすればできるようになるか”を第一に考える専門家です。子どもたちの「できた!」という経験の積み重ねにより、自信を取り戻し、楽しく学校に通い、心身が安定した状態で学べるようになります。そのため、令和8年度は学校ハビリテーションルームのモデルを構築してまいります。
さらに、経済的理由で進学や就学が困難な高校生に対する奨学金については、給付額の大幅な拡充を行います。加えて、支給時期の見直しや電子申請を可能とするなど、対象者の利便性向上を図ります。
歴史文化については、日本遺産や河内長野版歳時記などの取り組みにおける最新の学術的成果を踏まえ、平成17年が最後の刊行となっている河内長野市史の編さんに取り組みます。
施設の充実については、まず、学校の小規模化への対応として、令和9年度からの開校に向けて、美加の台地区における施設一体型小中一貫教育推進校の整備を行います。
また、従前より整備を進めている新学校給食センターが、いよいよオープンします。令和9年1月より、中学校における全員給食を開始するとともに、オープニングイベントとして、「カレーコンテスト」を開催し、地産地消によるおいしい学校給食を実現するため、食育を推進します。
世の中には食べ物や着る物、たくさんのチョイスに溢れているように、教育においても一人ひとりの子どもにとって最も適した選択ができるような、学びの場の多様化が必要だと強く感じています。
令和8年度は、いよいよ新しい教育大綱のもと、新たなスタートを切ります。一人ひとりが本来持っている可能性を最大限に活かして、自己実現と社会参加ができるよう多様性に応じた学びを推進し、基本理念となる誰一人取り残さない「こどもまんなか教育」の実現を目指します。
大切なことは、市域全体が“地域がまるごと学びの場”となるよう、子どもも大人も「作り手」として社会に参画することです。そして、学校、家庭、地域、企業、行政がつながる中で、新たな価値を創造するコミュニティを実現し、学校の外にも学びがいっぱいあるまちであることです。
加えて、いくつになっても身近に学びがたくさんあるまちであり続けることで、ウェルビーイングを高め、豊かな「学び」と「喜び」の好循環を生み出してまいります。
なお、新しい教育大綱については、現在、策定の最終段階ですが、総合計画と同様に、子どもから高齢者まで、誰が見ても分かりやすく、未来にワクワクするような、いわゆる“ペライチ”の教育大綱とします。
以上、主要な施策について、その概要を申し上げました。
今後とも、議員の皆さま並びに市民の皆さまとともに、本市のさらなる発展に向けて全力で取り組んでまいりますので、なお一層のご支援とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
令和8年2月27日
河内長野市長 西野修平