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令和6年河内長野市議会第3回定例会に当たり、市長就任後初の本会議におきまして、市政運営に関する所信を表明する機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
この度、第7代の河内長野市長に就任し、歴史と伝統ある河内長野市政を担うこととなりました。これまで大阪府議会議員として、21年間河内長野市の発展のために取り組んでまいりましたが、これからは「市長」として、河内長野市政の舵取りをすることとなり、その職責の重さに身の引き締まる思いでございます。
河内長野市は、昭和から平成、令和へと、それぞれの時代において、歴代市長をはじめ、市議会議員並びに市民のみなさまの英知を結集して、様々な課題を乗り越え、一歩ずつ着実に、そして確実に発展してまいりました。
ここに、改めて本市の発展にご尽力を賜りました多くの皆様に、深く感謝と敬意を表しますとともに、私は、これまでの歩みを受け継ぎ、さらなる市政の発展に向けて、これからの4年間、全力で取り組んでまいります。
さて、わが国は世界に先駆けて人口減少や超高齢社会を迎えております。2050年にはわが国の人口は1億人を割り込むとされており、今後も、ますます人口減少、少子高齢化が進むものと見込まれております。また、人口戦略会議が公表した「地方自治体「持続可能性」分析レポート」によりますと、若年女性の減少により出生数が低下し、総人口の減少に歯止めがかからないため消滅する可能性の高い自治体を「消滅可能性自治体」と定義し、全国で744自治体あるとされております。
本市におきましても、平成12年に12万人であった人口が、現在は10万人を下回り、高齢化率についても37%を超える水準となっております。また、人口戦略会議のレポートにおきましても、若年女性人口の減少率が高いことから、「消滅可能性自治体」として公表されたところでございます。
しかし、本市の人口動態を見てみますと、人口減少は進んでいるものの転出超過の状況は縮小傾向にあり、15歳未満の年少人口においても転入超過が続いております。このような明るい兆しが見え始めている今、本市はターニングポイントを迎えており、まさにこれからの取り組みが、本市の将来を左右すると言っても過言ではない状況であり、2050年を見据えて新たな一歩を踏み出し、確かな道を切り拓いてまいりたいと存じます。
そのために、まずは「組織改革」に取り組んでまいります。一般的に市役所は縦割りと揶揄され、行政内部での連携不足などにより、行政サービスが非効率であると言われております。そのような弊害を取り除くため、来年度からは「局制」を導入し、最大限、横断的に意思疎通が図られる組織体制に変えてまいります。
また、市政全般について幅広い視点からアドバイスをすることが出来る人材として特別顧問を設置することとし、地域資源の活用による地域活性化を促進する観点から政策顧問を、高向・上原地区および赤峰グランド跡地の産業集積拠点化のスピードアップを図る観点から技術顧問を設置いたします。
そして、市役所にはない「稼ぐ力」「稼ぐ概念」を加えるため、新たに「成長戦略局」内に「営業部」を設置し、部長にはシティプロモーションをさらに推進するなど経営感覚に秀でた外部人材を活用してまいります。
先に申し上げたとおり、本市は「消滅可能性自治体」とされており、「消滅可能性自治体」からの脱却を最大のミッションと捉えております。これを実現するために、組織としての存在意義「ミッション」を共有し、組織として将来のあるべき姿「ビジョン」を示したうえで、それぞれの部局が具体的な行動指針や行動基準となる「バリュー」を設定して、職員が一丸となり取り組むことのできる環境を整備してまいります。
そこで、新たに「4つの局」を設置いたします。
まず、一つ目は「成長戦略局」です。多様な社会的ニーズを捉え、明確な成長戦略を立て、戦略的にまちづくりを推進することで、市全体の成長につなげてまいります。また、まちを「商品」として捉え、市の「価値を売り込む力」と「稼ぐ力」を強化してまいります。市が保有するすべての「ハード」と「ソフト」の両面で、そのポテンシャルを最適化、最大化し、戦略的に価値を向上させてまいります。
二つ目の「総務経営局」では、市民に寄り添いながら「ヒト・モノ・カネ」を資源として、そのポテンシャルを高め、適正で安定した持続可能な行政経営の土台を構築してまいります。ここでいう「ヒト」とは、市民のみなさんだけではなく、庁内の人材も含まれます。それぞれの能力を活かす仕組みづくりや地域資源の相互作用により、地域内の循環を生み出し、本市の発展と共生につなげてまいります。
三つ目の「都市環境安全局」では、25年後も持続可能な災害に強い安心安全で美しく、資源を活かした魅力ある都市の形成を目指してまいります。ローカル・リソースとアウトソースを利活用し、包括的に連携するとともに、近年変動の大きい気象状況にも適切に対応できるよう、都市インフラの適切な保全に努めてまいります。
また、本市が有する資源である自然を有効かつ効果的に活用し、「ここにしかない資源」として再価値化してまいります。
四つ目の「こどもの未来と総合福祉局」では、次世代への投資を意識し、すべての子どもの育ちを後押しできるよう、保護者負担の軽減と安心のサポートや多様な特性を活かすことが出来る環境の整備を進めてまいります。
また、すべての市民のウェルビーイングも実現してまいります。ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的、自己存在的にも良好な状態を表します。市民一人ひとりの自己実現につながる新たな仕組みを構築してまいります。
最後に、「教育」分野における取り組みといたしましては、ESD(Education for Sustainable Development)の視点に立った学校教育の実現、すなわち、子どもの主体性と探求能力、当事者意識を育み、自己肯定感が高まる学びの環境を整備してまいります。
具体的には、アクティブ・ラーニングを実践するモデル校の設置を目指すとともに、専門職指導によるクラブ活動や教育活動を促進し、子どもの可能性を最大限に引き出してまいります。また、学校給食の「おいしさ」を追求するとともに、給食を通じて、「安心」と「五感」を育んでまいります。
さらに、すべての市民に社会教育を受ける機会を提供するため、生涯教育とリカレント教育の機会と実践の場も提供してまいります。
そして、職員のみなさんには、これまでの前例や慣例にとらわれず、当たり前のことを疑うことを意識していただき、常にチャレンジすることが出来る組織へと変えていきたいと考えております。ただし、チャレンジをしようとする土台が必要となります。市役所として、着実かつ誠実、的確に仕事を積み重ねて、心理的安全性を担保した上で、チャレンジ出来ることを共有していきたいと考えております。
また、民間企業との連携もこれまで以上に強化してまいります。民間企業においては、CSR活動が活発化しており、事業を通じて社会課題を解決するCSV活動の展開も広がってきております。まちづくりに関して、市役所だけで解決出来ないことも多くあることから、本市が抱える課題の解決に向けて、これまで以上に公と民が相乗効果を生み出すことで、課題の解決とまちの活力の再生に努めてまいります。
「市民のみなさんが、まちの変化を感じ取り、未来に期待と希望を抱いていただく」
こうした状況が常態化することを目標に、まちづくりを進めてまいります。しかしながら、私一人の力で出来ることは限られております。市議会議員のみなさまをはじめ、市民のみなさま、職員とともに、「チーム河内長野」として、本市の発展に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。