本文
ささえあいの現場から(コラム)
ささえあいの現場から ~目 次~
ささえあい現場から 広報(令和6年5月号)
子どもが活躍する居場所づくり
美加の台の子どもの居場所づくりに取り組み、「子ども店長のだがし屋さん」をオープンしたゆめ☆まなびネットの大谷さんにお話をお伺いしました。
現在美加の台には公民館や子ども会が無く、子どもたちの地域の活動への参加も少なくなってきたと感じ、地域活動を始めたいと考えたのがこの活動のきっかけです。地域の大人や団体がゆるやかにつながり、子どもたちが安心して過ごせる居場所を作りたいという思いから、駄菓子屋に取り組むことにしました。併設しているスペースでは、自主勉強をしたり異学年交流を楽しむ子どももたくさんいます。
この取り組みの特徴は、どの子でも店長になりお菓子を並べたり補充もしながら販売を行えるところです。
また、老人会のサロンやお祭りに出張販売をすることもあり、自発的にお菓子を持ってお客さんに声をかけに行くなど楽しそうに取り組む様子は、周りの大人も笑顔にしてくれます。
この活動は、青少年指導員、まちづくり協議会、福祉委員会や老人会など多くの団体のサポートを得て実施しています。また、活動をきっかけに新たにボランティア活動に加わってくれる人も出てきました。子どもを中心として縁を紡ぐように地域のつながりが広がっていると感じています。
今後は、保護者に向けたちょこっとカフェスペースやいろんな人と会話できる空間作り、中学生も参加できるような仕組みを作り、単にお店屋さんごっこではない「子どもが主役になれる」居場所づくりを目指しています。
●子ども店長のだがし屋さん
と き 毎月第 1土曜日午前 10時〜正午
ところ コミュニティルームさくら
参加費 100円(駄菓子カード110円分と交換)
※現在は美加の台中学校区の小学生を対象に開催中。
ささえあい現場から 広報(令和6年7月号)
のびのびと自由な地域の居場所に
子どものあそび場「あきち」 (コノミヤ河内長野店で平日午後3時〜6時、土・日・祝日午後1時〜6時開催)で活動する田代さんと尾本さんにお話をお聞きしました。
この場所は、 国民的人気アニメに出てくる「空き地」のイメージなんです。 休日や放課後に子どもたちが安心して遊べる場が少なくなっていることが悲しいと感じていました。 子どもたちが安心してのびのびと自由に遊べ、 地域の大人と子どもが分け隔てなく交流できる、 そんな居場所を作ろうと思ったことが「あきち」の始まりです。
「あきち」は、まちづくり協議会「楠小学校区つながろ会」 が中心となり、 幅広い年代の有志のボランティアで運営しています。 この場所で子どもたちと関わることで、今の子育ての 「当たり前」 や子どもの思いなどに、 改めて気づかされることもあります。
遊びに来た子どもたちは、地域の寄付で集まったおもちゃをカーペットに広げて遊んだり、 本を読んだりと自由に過ごします。 みんなで作った大きな黒板は大人気のスペースですね。 帰宅時には、 使ったものを片づけ、 黒板を消した後のチョークの粉もほうきできれいに掃除してくれています。 子どもたちが居場所を大切にしてくれる様子に、うれしい驚きを覚えました。
今後は、 「こども会議」の定期開催を考えています。 この場所の使い方や、やってみたいイベントなどについて、子どもたちが考え、自分の言葉で発信してほしいと思っています。大人の目線とは違う、子どもが感じることを大切にしながら、 子どもから高齢者まで、いろんな人がいろんな目的で気軽に集まれる、 そんな楽しい居場所を目指します。
●スタッフを募集
ちょこっとスタッフ、 がっ つりスタッフ大歓迎!気軽に「あきち 」 を見に来てください
ささえあい現場から 広報(令和6年9月号)
住民と共にある地域貢献活動に
楠小学校区の移動を支援するため、地域住民と共に活躍している社会福祉法人恩徳福祉会の大鳥さんと谷村さんにお話を聞きました。
今年の5月から、 有志で集まった地域住民と共に「楠小校区移動支援を考える会」を立ち上げ、移動支援「楠小校区巡回バス」の運行を始めました。
もともと地域貢献の一環として、介護予防体操や健康相談会を平成30年から開催していましたが、 コロナの影響で開催が難しくなりました。地域貢献は法人の使命であり、他に何かできないかと考えていたところ、 当法人が運営する高齢者施設「あかしあ」 の近隣地域が、 公共交通が届いていない移動困難地域であることを知りました。ちょうどデイサービスの送迎車が午前10時から午後4時まで待機していることもあり、有効活用できるのできるのではと考えたのが始まりです。
毎月1回会議を行い、住民の方々だからこそ分かることなど貴重な情報も共有しながら運行ルートや時間、 課題などを話し合い決めています。和気あいあいとした雰囲気で、当法人と住民の方々が対等な立場で進めていけることがこの活動の良いところですね。
社協の地域パートナーが間に入って丁寧につないでくれたことで、 独りよがりになることなく、「どうすれば地域の方々が喜んでくれるか」という考えを軸に住民の方々と一緒に進めてこられたと思っています。
今後は、運行地域や対象者の拡大も検討し、地域貢献の輪を広げていけるよう、取り組んでいきたいと思います。また、私たちだけでなく、もっと多くの事業者が地域の活動へ参画することで、河内長野市がより良いまちになっていくのではないでしょうか。
ささえあい現場から 広報(令和7年1月号)
子ども食堂「チャイル ドシート」で活動するみなさんにお話をお聞きしました。
ここでは、子どもが一人で来ても、親と一緒に来ても、誰もが安心して過ごせる地域の居場所を目指し運営しています。2018年から始めたこの活動は、地域ぐるみで子どもを育んでいきたいという思いでたくさんの人に支えられながら、これまで継続してきました。米を提供してくれる農家さんや、野菜を提供してくれる福祉委員さん、当日に手伝いに来てくれるたくさんのスタッフ、子どもたちの勉強をみてくれる高野山大学の学生さんなど、たくさんのつながりがあったからこそ、今の活動につながっていると感じています。
小山田小学校内の下足室にある連絡箱で参加者を募集していて、小学1~6年生までの参加者が集まります。毎月1回日曜日に、老寿やすらぎ病院内で、いただいた米や野菜で作った手づくりカレーなどを提供しています。おいしそうに食べていたり、自ら進んで手伝いをする子どもたちの姿や、地域の人と一緒に子育てができることが分かってうれしいという親御さんの声に、私たちも元気をもらい、励みになっています。
一人ではできないことでも、誰かに相談することで支えてもらえる。そんな温かさを日々感じています。これからも、子どもも大人も地域のみんなが顔見知りになれる居場所を目指していきます。
この活動を今後も続けていくために、安定して活動できる場所の確保と参加者の拡大を検討しています。1人で安心して安全に来てもらえるように、小学校で開催できたら素敵ですね。
小山田小学校区内に住んでいる小学生のいる家庭が対象です。私立や支援学校などに通っている子どもたちも大歓迎です。ぜひ一度、見に来てください。
スタッフも絶賛募集中ですので興味のある方はご連絡ください。
問い合わせ先:チャイルドシートの西村 さん(Tel090・7965・7076)
ささえあい現場から 広報(令和7年5月号)
楽しい!から広がる「ささえあい」の輪
3月に開催した「地域ささえあいフォーラム」では、「つながり」の大切さについて、改めて認識させられました。
第1部の厚生労働省職員による講演では、どのようにみんなが生きやすい社会、幸せを感じられる社会にしていくか、というお話をしていただきました。
現代社会では、人口減少や社会構造の変化により、地域や家族などのつながりが希薄化し、孤独を抱える人々が増加しています。そんな状況で、誰もが安心して暮らせるような地域をつくるには、高齢者も障がい者も子どもも、すべての人が地域社会に参加し、支え合うことが重要です。さらに、福祉分野だけでなく、まちづくりや文化活動、環境、地域産業など様々な分野の活動を重ね合わせることで、新たなつながりも生まれます。そのような中、私たちが目指す「幸せ」とは、頑張って創りだそうとするものではなく、ゆるやかに、寛容性をもって育んでいくものであるという言葉が心に響きました。
第2部では、地域で活動する3名の方がパネラーとして参加してくださいました。それぞれの話の中で特に印象に残ったのが、「活動するのが楽しい」、「やっぱり笑顔で活動することが大切」という言葉でした。日々の活動の中では、うまくいかないこと、大変なことがたくさんあります。それでも、仲間とともに新たなつながりを築き、活動の輪を広げていくことに喜びを感じていらっしゃる様子が伝わってきました。
今回の参加者からは、「自分も何か地域のために活動してみたい」、「地域とのつながりを深めたい」という声が多数上がりました。このフォーラムをきっかけに新たな活動が生まれるのでは、と思わず笑顔がこぼれました。
地域で新たな活動団体を立ち上げたい方、または地域活動に興味がある方は、私たち生活支援コーディネーターがお手伝いします。気軽にご連絡ください!