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国宝 木造大日如来坐像 木造降三世明王坐像 附 木造天蓋(大日如来像所用)の修理について
令和6年4月から、国と市の補助事業として実施しておりました 国宝 木造大日如来坐像 木造降三世明王坐像 附 木造天蓋(大日如来像所用)の保存修理が令和6年7月30日に完了しました。
(修理状況)
木造 降三世明王坐像(修理前) 木造 降三世明王坐像(修理後)
大日如来坐像(修理前) 大日如来坐像(修理後)
国宝 木造大日如来坐像 木造降三世明王坐像 附 木造天蓋(大日如来像所用)について
金剛寺の金堂に安置されている木造大日如来坐像は平安時代末期の1180年前後の作とみられています。降三世明王坐像・不動明王坐像は、不動明王の像内銘から、鎌倉時代の仏師快慶の弟子である行快によって造られたと判明しています。
大日如来の像高は313.5cm、降三世明王の像高は230.1cm、不動明王の像高は201.7cmで、いずれもヒノキで作られた寄木造の坐像です。これらの仏像を組み合わせた三尊像は、密教の尊勝曼荼羅を立体的に表現しており、全国的に見ても類例が少ないものです。
文化財の保存修理について
文化財は、地域の歴史や文化を今に伝える貴重な財産です。文化財は保存環境や虫害・獣害などにより、損傷や老朽化を避けられませんが、適切な時期に保存修理を行い、それを繰り返すことによって、より良い状態で後世に伝えていくことができます。