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平成19年度施政方針

印刷ページ表示 更新日:2018年10月11日更新
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平成19年3月2日

河内長野市長 橋上義孝

平成十九年度の当初予算案の説明に先立ち、今後の市政運営につきまして、私の所信の一端を申し上げます。
我が国の経済は、長い停滞のトンネルをようやく抜け出したと言われております。
一方、あまりにも長すぎた景気の低迷と急激な改革の取り組みにより、地方は疲弊し、様々な側面で歪みや格差を生み出し、そのことが、少なからぬ国民に景気回復の実感を与えきれていない原因になっているとの指摘もあります。
社会情勢を見ますと、先行きが不透明な北朝鮮問題や泥沼化するイラク問題、自然災害や子どもを巻き込む犯罪、教育現場におけるいじめ問題など、閉塞感とともに心を締め付ける出来事が相次いでおります。
さらには、公務員や地方自治体トップに至るまで不祥事が噴出し、行政に対する不信感は頂点に達しております。
そのような中、「美しい国づくり」を掲げる安倍内閣が打ち出す政策、とりわけ地方行財政施策の動向に注視するとともに、来る四月の統一地方選挙、さらには七月の参議院選挙を通じて、大いに議論されることを期待するものであります。

さて、平成十九年度予算は、極めて厳しい財政状況にある中で、更なる財政健全化に向けた取り組みを最優先課題としながら、市議会各会派からのご要望や時代の要請、市民ニーズを踏まえ、第四次総合計画の重点施策の実現に向けて構築を行ったところであります。
予算総額は、一般会計で 三二三億五千万円
特別会計で 四〇〇億四,六三四万三,〇〇〇円
合計しますと 七二三億九,六三四万三,〇〇〇円
であります。
これは、平成十八年度当初予算に比べまして、一般会計で三.二%の減少、特別会計で一五.一%の増加、総額で六.二%の増加となります。
当初予算案の要点については、提案理由の中でご説明申し上げますが、特に主要な施策につきまして、第四次総合計画の五つのまちづくり目標にそって、その概要を申し上げます。

一点目は、「環境調和都市」であります。
まず、昨年十二月に策定した「かわちながの森林プラン」に基づき、水源涵養、大気の浄化、災害防止、地球温暖化防止などの森林の公益的機能を維持し、多様な主体の参加による森林の保全・育成を実現してまいります。
併せて、滝畑地区の市所有森林の管理を適切に行い、公益性の高い森林づくりを推進してまいります。

二点目は、「共生共感都市」であります。
まず、地域福祉計画に基づき、地域コミュニティソーシャルワーカーの配置や人材の育成、ワークショップの開催などにより、お互いが支え合い、助け合うことができるネットワークの構築を図ってまいります。
次に、介護保険制度における新予防給付事業の体制を充実するとともに、地域における介護・福祉基盤の整備を進めてまいります。
また、障害者自立支援法に対応しながら、作業所・放課後活動へのきめ細かい支援を図るとともに、地域の実情や障害者のニーズに即した障害者長期基本計画の改訂を進めてまいります。
さらには、児童手当制度の拡充に適切に対応するとともに、男女共同参画条例の理念に基づく「かわちながの女性プラン」の見直しを図ってまいります。

三点目は、「元気創造都市」であります。
まず、引き続き児童・生徒の安全安心対策に万全を期するとともに、小・中学校における扇風機の設置や大規模改造、長野小学校校舎増築などの教育環境の整備、そして、不登校生への支援などの拠点となる子ども教育支援センター事業の実施などを進めてまいります。
加えて、放課後子ども教室の実施や地域・家庭における子育て支援事業の充実など、次世代育成に努めてまいります。
また、本年五月にオープンする滝畑ふるさと文化財の森センターにおける岩湧山の茅などの普及・啓発活動をはじめ、本市が有する豊かな歴史遺産の保全・活用を推進してまいります。
一方、ふるさと農道やほ場など農業基盤の整備を進めるとともに、「団塊の世代」にも対応した新規就農者の育成支援や農作物の鳥獣被害対策を進めてまいります。
さらに、地域産業との連携や高野街道を基軸とした観光産業振興を推進するとともに、観光案内所機能の充実を図ってまいります。

四点目は、「安全安心都市」であります。
まず、先に申し上げた児童・生徒の安全安心対策をはじめ、引き続き地域における防犯活動への支援や防犯意識の高揚を図ります。
また、消防防災拠点施設の整備をはじめ、消防施設・設備の整備や耐震改修促進計画の策定、自主防災活動の支援など、消防・防災の取り組みを進めるとともに、公共施設におけるAED設置の充実やアスベスト対策などの危機管理に努めてまいります。
さらには、道路や上水道、下水道雨水施設の整備に努めるとともに、市営斎場の建替えや市設置型合併浄化槽の整備、公共交通ネットワークの確立に向けた研究など、都市基盤の質的な充実を進めてまいります。

五点目は、「自律協働都市」であります。
まず、昨年十二月に策定した「市民公益活動支援及び協働促進に関する指針」に基づき、(仮称)市民公益活動支援センターの整備や市民との協働の仕組みづくりに向けた各種施策の充実を図ってまいります。
加えて、アドプト制度の充実を図るとともに、校区内交流会などコミュニティ活動への支援に努めてまいります。
また、IT基盤を活用して、市内貸館施設予約システムの平成二十年度に向けた一元化を図ってまいります。
さらに、収納率の向上対策として、滞納整理体制の充実やコンビニ収納の拡大を進めてまいります。
一方、「土地開発公社経営健全化計画」に基づき、公社保有土地の計画的な買戻しを推進してまいります。

以上、第四次総合計画における五つのまちづくりの目標にそって、主要施策の概要を申し上げました。
本市は今、「三位一体改革」や人口の減少などによる収入減、高齢化に伴う経費や借入金の返済増加などの支出増を主な原因として、危機的な財政状況にあります。これまでも、平成十五年に策定した財政健全化プログラム(案)に基づき、人件費の抑制やサービスの見直し、使用料・手数料の適正化など、様々な取り組みを積み重ねてまいりました。その際には、市民のみなさんにご協力をいただいたことはもちろんのこと、職員にも大変な苦労をかけたわけですが、それらの努力を上回る極めて厳しい事態が生じていることも厳然たる事実であります。
このまま現状を放置いたしますと、夕張市や熱海市の例を見るまでもなく、さらに深刻な事態に陥り、財政再建団体に転落するといっても決して過言ではありません。
そのような状況においても、「団塊の世代」の大量退職が始まる、いわゆる「二〇〇七年問題」が訪れる中で、地域資源の循環による活動人口の増加、「まちの活力」の維持・充実をいかにして図っていくのか、「待ったなし」の課題が山積しております。
「河内長野が河内長野であるために」、すなわち、持続可能な行政をめざし、河内長野らしさを発揮するために、今、何をしなければならないのか、熟慮に熟慮を重ね、私自身が大きな決断をしなければなりません。
平成十九年度予算編成にあたりましては、地域手当の見直しによる職員人件費の抑制、増加する公債費の対策としての公共下水道汚水施設整備をはじめとした投資的経費の大幅な縮減、公共施設改修のあり方の見直しに伴うスポーツ施設リフレッシュ整備の凍結、そして、北部地域福祉センター整備の大幅な先送りなど、断腸の思いで苦渋の選択を行い、先に申し上げた事業の施策化を図ってまいったわけでございます。
今後も更なる決断が求められていることは言うまでもありません。

今、大事にしなければならないのは、やはり「信頼」であります。本市のおかれている状況をつまびらかに公開し、私をはじめ職員一人ひとりが説明責任を果たしていくことが、市民との「信頼」を築き上げる第一歩であると強く考えております。
その上に立って、行政の担うべき役割に責任をもちつつも、市民と行政は何ができるのか、市民同士がどう支えあっていけるのか、真剣に議論を交わし、共に考え、共に汗を流すという、まさしく「市民と行政の協働のまちづくり」を推進していかなければなりません。
私にとりましても、第三期市政が中間点を越え、総仕上げの時期を迎える中で、公約として掲げました「ふれあいと共生、安全・安心のまちづくり」「地域の特性を活かした定住と交流のまちづくり」「厳しい中での自己改革、自立と協働のまちづくり」の三つの政治理念が、いよいよその真価を問われてまいります。その理念の具現化こそが、行政改革であり、財政健全化であり、そして、第四次総合計画のまちづくりに道筋をつけることであります。言い換えれば、これらの実現に向け、私は政治生命を賭け、不退転の決意で臨んできたわけであります。
本市はまさに正念場を迎えております。ふるさと河内長野の再生に向けて、市民との信頼関係を構築し、協働のまちづくりを進め、そして、更なる勇気ある決断を下していく所存であります。
そして、私を先頭に職員一丸となって英知を結集し、十二万市民の未来のため、河内長野の将来のため、全力を傾注して取り組んでまいります。
今後とも、議員並びに市民の皆さまには、なお一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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