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平成29年度施政方針

印刷ページ表示 更新日:2018年10月11日更新
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平成29年3月1日
河内長野市長 島田 智明

 平成29年度の当初予算案の説明に先立ち、今後の市政運営につきまして、私の所信の一端を申し上げ、議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 平成29年度は、私にとりましては初の当初予算編成を行った年度であり、「未来への改革元年」と位置付ける年でもあります。

 人口減少、少子・高齢化が進む中で、将来都市像である「人・自然・歴史・文化輝く ふれあいと創造のまち 河内長野」の実現に向けて、市民同士のふれあいや支えあいによって豊かな暮らしを創造するとともに、新たな魅力や価値を創出し、にぎわいや活力に満ちたまちづくりを推進してまいります。

 さて、国内の経済状況を見ますと、アベノミクスの取り組みの下、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調が続いており、「稼ぐ力」は確実に改善しています。しかし、海外経済で弱さが見られるほか、個人消費や民間設備投資は、所得、収益の伸びと比べ力強さを欠いた状況であります。

 また一方で、「まち・ひと・しごと創生法」が施行され、地方創生に向けた取り組みが本格化しつつある中、依然として過度な東京一極集中や地方の人口減少の進行、そして、大都市経済と地方経済との間での「稼ぐ力」の格差など、地方創生を巡る現状には厳しいものがあります。

 こうした状況を踏まえ、本市におきましても、「河内長野市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、国・府の取り組みとも連携を図りながら、少子・高齢化に伴う人口減少への対策や、本市独自の地域資源を活かしたまちの活性化に向けた取り組みを進めてまいります。

 また、この総合戦略と併せて、総合計画の基本目標に基づく取り組みをさらに発展・充実させ、市職員一丸となって進めていく所存でございます。

 平成29年度の当初予算につきましては、歳入面では景気の変動などの影響により、法人市民税や地方消費税交付金をはじめとした各種交付金の減少を見込む一方、歳出面では高齢化に伴う社会保障関係経費の増加や、公共施設などの老朽化に対する維持・更新費用の増加を見込んでおり、非常に厳しい財政状況での編成となりました。

 このような状況の中、限られた財源の範囲内で、市民目線による事業の組換えを行い、平成29年度におきましても原則として財政調整基金を取り崩さない予算編成を行いました。

 平成29年度の予算の要点につきましては、提案理由の中でご説明申し上げますが、

予算総額は、

  • 一般会計で 325億4,000万円
  • 特別会計で 390億6,989万円
  • 合計しますと 716億989万円となっております。

 それでは、平成29年度の主要な施策の概要につきまして、第5次総合計画に沿ってご説明申し上げます。

 基本目標の第1は「安全・安心・支えあい」の暮らしやすいまちであります。

 まず、危機管理・安全対策としまして、今後予想される高齢化による救急件数の増加に対応するため、救急体制の強化を図ります。

 また、小学校区ごとの地域別避難所運営マニュアルの作成、避難所案内板や全避難所への特設公衆電話回線などの整備を進めることで、市民の安全・安心を確保し、被害を最小に抑えることができる防災体制を整えてまいります。

 さらに、大阪一犯罪の少ないまちをめざし、自治会防犯灯のLED化推進、自治会などへの防犯カメラ設置補助の継続や、特殊詐欺被害防止策の一つとして、市民に対し、通話内容を自動で録音する機器の無償貸出を行うなど、防犯への取り組みを充実してまいります。

 次に、福祉施策としまして、「第7期高齢者保健福祉計画」及び「介護保険事業計画」を策定し、本市における高齢者保健福祉の総合的、計画的な推進と介護保険事業に係る保険給付を円滑に進めてまいります。

 また、高齢者が、住み慣れた地域で、心身ともに健康でいきいきと暮らし続けることができるよう、介護予防・日常生活支援総合事業を実施し、住まい・医療・介護・予防・生活支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを進めてまいります。

 そして、今年度に策定しました「かわちながの つながり・支えあい推進プラン」に基づき、誰もが共につながり、支えあう地域づくりをめざし、社会福祉協議会などと連携を図りながら進めてまいります。

 さらに、障がい者施策につきましては、富田林市・大阪狭山市との広域連携により、障がい者の地域生活を支援する拠点整備を行い、障がい者を地域全体で支える仕組みを構築してまいります。

 次に、健康としまして、生涯にわたって心身ともに健康でいきいきと生活できるよう、「第4次保健計画」の策定に向けた市民の健康ニーズの把握や、健康づくり推進員が各地域の特性や健康課題に応じた健康づくりを支援するなど、市民の皆さまの主体的な健康づくりに向けた取り組みを進めてまいります。

 また、赤峰市民広場に健康増進を目的とした健康遊具を設置するなど、健康生活への環境整備を進めてまいります。

 さらに、「国民健康保険保健事業実施(データヘルス)計画」に基づき、生活習慣病予防対策の実施に加え、糖尿病性腎症(じんしょう)の早期発見に着目した検査項目を追加するなどの重症化予防対策に向けた取り組みを実施し、被保険者の健康の保持増進と医療費の適正化を図ってまいります。

 そして、安心できる地域医療体制としては、新型インフルエンザ発生時に必要な医療機器材の備蓄に向けた整備や、がん検診受診率の向上に向けた取り組みを行うなど、関係機関などとの連携により充実を図ってまいります。

 基本目標の第2は「育み・学び・思いやり」の質の高いまちであります。

 まず、子育てとしまして、定住人口の維持に向け、「本市で子どもを産み、育てたい」と思えるよう、多胎妊娠の妊婦に対し妊婦健診への受診券の追加発行を行い、多胎妊婦の健康管理の充実と経済的負担の軽減を図るなど、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに取り組んでまいります。

 また、認定こども園への整備促進や子育て世代包括支援センターの取り組みなどを通じ、子ども子育て支援事業を総合的に推進し、子育てに夢がもてるまちとなるよう、子ども・子育て支援に係る取り組みの充実を図ってまいります。

 次に、教育としまして、障がいのある・なしに関わらず、子どもたちが共に学ぶための環境の充実や、学校運営協議会制度の推進などにより、学校の教育力・組織力の向上を図り、小・中学生の学習能力を高めてまいります。

 また、教育ICT環境の充実、小・中学校の普通教室へのエアコン設置に向けた準備、老朽化した学校施設の改修など、教育環境の整備を行い、学習効果の向上をめざしてまいります。エアコン設置につきましては、まず、中学校において、平成30年度から、小学校においては、その後の設置を計画しております。

 次に、生涯学習としまして、子どもから高齢者まで、誰もが生涯にわたりスポーツに親しむことができるよう、昨年完成した下里運動公園・人工芝球技場の利用促進に取り組むなど、スポーツ環境の向上とスポーツ活動の充実を図ってまいります。

 また、ラブリーホールやキックス、公民館などを拠点に、市民が様々な文化活動にいきがいを感じることができる取り組みを進めてまいります。

 そして、本市にとって重要な地域資源である歴史文化遺産の保存と活用を図るため、「歴史文化基本構想」に基づき、「文化財保存活用計画」策定に向けて学識経験者を中心に検討を行うとともに、史跡烏帽子形城跡のさらなる活用をはじめ、自然環境と調和した歴史文化遺産の活用を推進してまいります。

 そして、人権・男女共同参画としまして、「人権施策推進プラン」に基づく「人権」の取り組みを進めてまいります。

 また、「女性活躍推進法」の推進計画を盛り込んだ「第4期男女共同参画計画」を策定し、家庭、職場、地域などのあらゆる分野において、男女が共に参画し活躍する社会の構築に向けて取り組んでまいります。

 基本目標の第3は「潤い・快適・活力」のにぎわいのまちであります。

 まず、環境としまして、本市の良好な環境の保全と創出を図るため、本年度に策定した「河内長野市環境基本計画重点プラン」の実施計画に基づき、産・官・学による市内のバイオマス資源の利活用などを、効果的かつ計画的に取り組んでまいります。

 また、今後も進む高齢化に対応した「家庭ごみふれあい収集」を継続して行うことにより、自らごみを出すことが困難な世帯の利便性の向上や、「もったいない市」や「ぐるぐるマルシェ」の取り組みを進め、ごみの減量やリサイクルの推進による生活環境の向上を図ってまいります。

 次に、都市基盤としまして、人口減少や少子・高齢化が進む中、効率的で持続的なまちづくりをめざし、都市機能誘導区域や居住誘導区域と、これらへの誘導施策を検討しながら、「立地適正化計画」の策定に取り組んでまいります。

 また、本年度に策定しました「河内長野駅周辺地区まちづくり方針」に基づく中心市街地の活性化や、市営三日市住宅跡地活用を含めた三日市町駅周辺の活性化に向けた取り組み、また、公共交通機能の充実に向けた検討など、人口構造や都市活動に適応したまちづくりの実現に向けて施策を展開してまいります。

 次に、道路基盤の整備につきまして、短期的には、国道371号バイパスや広域農道の完成を、中期的には、大阪河内長野線の延伸及び堺アクセス道路の整備を、長期的には、大阪南部高速道路の実現を、関係機関との連携を深めながら進めてまいります。

 さらに、住宅環境の充実につきましては、空き家などの適正管理と活用を総合的かつ計画的に進めるため、市民や、建築士などの幅広い分野の専門家に検討をいただきながら、「空家等対策計画」を策定してまいります。また、人口減少の著しい若年層の本市への転入・定住及び親子世代間の相互扶助を促進し、もって若年・子育て世帯が安心して出産・育児ができる住環境の創出と活力ある地域社会を築くために、住宅補助を進めてまいります。

 そして、観光・産業としまして、「奥河内くろまろの郷」の道の駅登録による、周辺エリアを含めた観光拠点づくりや、観光トイレ、公衆無線LANの整備など、観光客が利用しやすい環境整備を図り、国内外からの観光客を誘致してまいります。

 また、産品ブランド「奥河内ながのfoodo」を活用した土産品の開発支援や、市民、民間事業者などが主体的に行う観光施設の整備などに係る費用助成により、観光産業の取り組みを推進してまいります。

 さらに、地域の歴史的魅力や特色を通じて本市の認知度を高めるため、楠木(くすのき)正成(まさしげ)・正行(まさつら)親子をテーマに、関係市町村と連携して日本遺産への認定をめざすとともに、日本遺産の認定を通じた広域的な観光振興や地域活性化を進め、本市の新たな魅力の創出につなげてまいります。

 また、これらの取り組みをはじめ、豊かな歴史・文化遺産や自然などの本市の魅力を最大限に活かした観光振興を進めるため、本市の観光の新たな方向性を示す「観光振興計画」を策定し、にぎわいの創出と交流人口の拡大につなげてまいります。

 次に、地域経済を支え活力を維持するため、企業の誘致や、既存の市内企業への支援並びに市内での安定した雇用、就労機会の確保を図り、本市産業の振興を進めてまいります。

 また、地域資源を活かした安定的かつ持続的な農業の推進を図るため、大都市近郊にある本市の立地条件を活かした農産物の出荷拡大やブランド化、6次産業化を推進してまいります。

 さらに、森林資源の循環利用を推進するため、新たな森林プランに基づき、環境を重視した森林整備や、「おおさか河内材」の利用促進、市民参加による森林づくりなどに取り組んでまいります。

 次に、「包括的政策」としまして、市の資源を活かして工夫を重ね、新たな価値を創造するまち「スマートシティ」をめざし、定住人口の維持、交流人口の増加、行財政改革の推進など、「スマート」をキーワードに、人々に「選ばれる」まちづくりを推進してまいります。また、本市が「選ばれるまち」となるよう、本市の魅力を磨き上げ、イメージを高め、市内外に向けて戦略的かつ継続的に情報を発信し、市民の本市に対する「誇り」や「愛着」を高めるとともに、市外にとどまらず、国外から「注目」を浴びるような仕組みの構築を検討してまいります。

 そして、「まちづくりを支える政策」としまして、自治会・町会活動の促進に寄与する備品の購入を補助するなど、地域の基礎基盤である自治会・町会への支援を充実し、地域コミュニティの活性化を図ってまいります。また、地域まちづくり協議会につきましては、地域の課題解決に向けた先駆的な取り組みへの補助を新たに追加し、地域住民や各種団体、事業者など、多様な担い手による協働の促進と、地域ごとの課題解決に向けた市民主体のまちづくりを推進してまいります。

 最後に、限られた財源の中で、さらに多様化・高度化する市民ニーズに応えながら、活力あるまちづくりを推進するため、「行政経営改革プラン」に基づく取り組みや、民間活力の活用や新公会計制度の導入、ファシリティマネジメントの取り組みなど、さらなる行財政改革を推進してまいります。

 また、本市が将来にわたって持続的に発展していけるよう、交流人口の拡大や転入・定住促進などにより税源の涵養(かんよう)に努めるとともに、施策の選択と集中を行い、将来都市像の実現に必要なサービスの提供と安定した財政運営を両立できる、バランスのとれた市政運営をめざしてまいります。

 以上、主要な施策につきまして、その概要を申し上げました。

 今後も、議員の皆さま並びに市民の皆さまの声を充分に聴きながら、共に魅力あるまちづくりを推進してまいりたいと考えておりますので、なお一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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