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平成24年度施政方針

印刷ページ表示 更新日:2018年10月11日更新
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平成24年3月1日

河内長野市長 芝田啓治

 平成24年度の当初予算案の説明に先立ち、今後の市政運営につきまして、私の所信の一端を申し上げ、議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

市民の皆さまと共に市政を歩み、就任以来常に、出産から安心して子育てができ、健康的に高齢期を過ごしていただき、住む人、訪れる人が笑顔に満ちあふれる「安全・安心・安定した緑と笑顔のあふれるまち」を、「将来のまちの姿」としてめざしてまいりました。

締めくくりとなる平成24年度は、これまでにしっかりと道筋を付けてきた取組みが、市民の皆さまの幸せや希望に結びつくように、さらに「深く、前へ」推し進めていきたいと決意いたしております。

 まず初めに、昨年3月に発生いたしました東日本大震災から1年。この間、人と人とのつながり・絆を改めて感じながら、行政として何ができるのか、また何をすべきなのか、深く、強く考えさせられる年でありました。復興には長期的な取組みが必要になるため、これからも支援を継続するとともに、一日でも早い復興のために私たち一人ひとりが、考え知恵を絞ってまいりたいと思っております。

さて、国内の状況を見渡しますと、円高による経済の低迷や雇用環境の悪化など、長期化する厳しい経済状況により先行きが一段と深刻かつ不透明となってきていることに加え、多くの国民が今、迷走する国政に強い不満と不安を抱いているとともに、自治体も厳しい財政運営を強いられていることに、危機感を抱いております。このような閉塞した状況の中、市民の皆さまに安心して暮らしていただくためには、私をはじめ職員一人ひとりが、市民の皆さまと共に手を組んで、共に考えながらまちづくりを進める中で、市民の皆さまが本当に必要としているものは何かをしっかりと見極める努力をすることが必要であると実感しております。

一方、大阪府におきましては、先のダブル選挙での大阪維新の会の圧勝を受け、大阪府・大阪市が地方自治の新たな形づくりに向け、早いスピードで動き出しており、府内の各自治体も大きな転換の時期を迎えつつあると思われます。本市もこの動きに柔軟に対応するとともに、これまで以上に進むものと予想される市町村への権限移譲については、基礎的自治体としての自らの役割を果たせるような体制を構築するとともに、近隣市町村との連携をこれまで以上に密に取り組んでまいります。

本年1月から南河内の3市2町1村でスタートしました共同事務に加え、今後拡大する権限を活かしてコスト削減と住民サービスの向上に努めて、更なる研究を6市町村で行っていきたいと考えております。

 平成24年度の予算編成にあたりましては、市政推進の心構えとしまして、平成23年度の「全面展開の年」から、平成24年度は、「全面深化の年」と位置付け、力いっぱい取り組むことをお約束いたします。

まずは、就任以来掲げております「教育」「経済」「環境」「健康」の「4つのK」及び「リーディングプラン」の基本的政策の取り組みの中でもさらに充実、発展させる必要がある分野を重点的に、施策の構築を行いました。また、平成24年度に最終年度を迎える「第2次財政健全化プログラム」に盛り込まれている取組みを着実に進め、既存サービスの検証や時代に適合した新たな施策の再構築を意識した当初予算編成に努めました。

予算の具体的な編成作業は、長引く景気の低迷や人口減少並びに高齢化の影響による市税の減少や社会保障関係経費の増加などが見込まれることから、依然として非常に厳しい財政状況での編成となりました。

このような状況の中で、第4次総合計画や先ほど申し上げました、私がめざす「将来のまちの姿」の実現に向けた取組みをはじめ、「第3次行財政改革実施計画」、「第2次財政健全化プログラム」、市議会各会派からのご要望、市民ニーズなどを踏まえまして、持続可能な都市経営を行うための予算編成を行いました。

予算総額は、

  • 一般会計で 326億8,000万円
  • 特別会計で 311億8,021万6,000円
  • 合計しますと 638億6,021万6,000円であります。

 予算の要点につきましては、提案理由の中でご説明申し上げますが、ここでは主要な施策の概要を申し上げます。

「4つのK政策」のうち、「教育」のKにつきましては、「教育立市宣言」に基づき、先行した取組みを実施してまいりましたが、引き続き大阪一の教育都市をめざして、豊かな教育環境の更なる充実を図ってまいります。

まず、子どもたちの健やかな成長と確かな学力の向上をめざし、中学入学時の不安を解消するための「小中一貫教育」につきましては、美加の台・西中学校区に加え全中学校区で実施し、9年間の義務教育での連続した学びを推進してまいります。また、4つの小学校をモデル校として展開してまいりました「コミュニティスクール」制度につきましては、全小学校での実施に拡充して、地域の資源を活かし、創意工夫を凝らした教育活動の展開を図ってまいります。昨年11月から東中学校で開始しました中学校給食につきましては、社会状況の変化により家庭からお弁当を持参することが困難な中学生にも、栄養バランスのとれた昼食を提供する機会を保障するものとして、新たに3校拡大いたします。

また、従来から計画的に進めております学校施設の耐震化につきましては、安全性の確保が極めて重要であることから、平成26年度末に100%完了となるよう、1年前倒した計画に変更しております。

さらに、生涯にわたる学習を継続できる場として昨年開校し、大変盛況であります河内長野市民大学「くろまろ塾」は更に質を高め、市外、府外にも発信し、この学びの場が、出会いや人づくりの場へ、さらには、まちづくりの場へとつながるように充実を図ってまいります。

「経済」のKの取り組みといたしましては、かねてから検討しております「農の拠点」について、地域産業の振興や交流人口の拡大をめざして取組みを更に進め、今後の河内長野市のにぎわい・活性化にとって、とても大切な場所である高向地域を「花・木・歴史文化、そして農を合わせた一大拠点」として、展開してまいりたいと考えております。くろまろの出身のこの高向地域の発展を願い『わがまちに玄理(くろまろ)あり』を「見える形・魅せる形」に表現して、本市の魅力として全国に発信してまいりたいと思っております。また、市内に広がる農空間の特徴を活かした農林産物および加工品の魅力を消費者にアピールするため、地域ブランドを立ち上げ、特産品のPRや販売促進に努めてまいります。

さらに、中心市街地の活性化を目的とした駅周辺地域の調査や賑わいの拠点づくりにつきましても検討してまいります。

 このほか、これまで市民のみなさまと共に進めてまいりました「協働のまちづくり」をさらに充実させるために、各部局が進めている施策を市民に問いかけ、また市民の生の声をしっかりと聞く「まちづくり地域デビュー講座」を実施するとともに、市民が進める地域まちづくり活動をサポートし、市民や地域の方々と共に「みんなで一緒につくるまち」を推進してまいります。

「環境」のKにおきましては、恵まれた自然や歴史・文化環境を活かした観光事業の活性化に取り組んでまいります。昨年秋から、「ちかくて、ふかい奥河内」のキャッチコピーを用いて、イメージ戦略を推し進めている奥河内構想については、ウエブサイトの開設や、滝畑ダムを活用したイベントの実施により、本市への来客につながるよう、市内外に発信してまいります。

情緒あふれる高野街道では古いまち並みを再生し、市民の皆さまや本市への来訪者が楽しみながら歴史ロマンを感じていただける歩行者空間を創出してまいります。

また、昨年度改訂しました環境基本計画に基づき、環境講座や環境ボランティア養成講座などを実施し、「エコを推進するまち」として市民・事業者との連携による環境学習にも取り組んでまいります。

さらに、昨年の東日本大震災や台風12号を教訓とした災害対策としまして、自主防災組織の活動助成の期間を現在の5年から無期限に変更することをはじめ、避難所等の備蓄物資の充実や防災倉庫の設置、また、地震に対する日頃からの心構えを啓発するための地震対策冊子の作成など「災害に強いまちづくり」に向けて、より一層力を注いでまいります。

「健康」のKといたしましては、出産から安心して子育てを行っていただけるよう、妊婦健康診査に対する支援をいっそう充実するとともに、乳幼児医療費助成については、子ども医療費助成として、通院医療費分の助成を小学校3年生まで拡大し、今年度に中学3年生まで拡大した入院医療費分の助成と併せて、産み育てていくための不安解消に努めてまいります。

また高齢化が進む中、高齢者の生きがいづくりや健康づくりの支援として、老人クラブに対する補助制度の再構築や肺炎球菌ワクチンの費用助成、また市オリジナルの介護予防体操の作成、さらには、日常生活をサポートするための家庭系ごみの訪問収集を実施してまいります。

このほか障がい者の皆さんの自立した生活と社会参加を支えるため、就労支援の取組みや庁舎内食堂跡地に障がい福祉サービス事業所を設置するなど、市民の皆さまにとりまして、「より住みよいまち」となることをめざして取り組んでまいりたいと考えております。

 一方、「将来のまちの姿」の実現に向けて、特に先導的に進める施策・事業を「リーディングプラン」として位置付け、平成22年度から人口減少やまちの活性化の課題に対応する取組みを進めてまいりました。

「子育て・教育」をまちづくりの中心に据え、出産から安心して子育てができ、また子どもたちが豊かな教育環境の中で健やかに成長してもらえることを願う私にとりまして、平成24年度は、以前からの懸案であります「ノバティながの」の5階が、子どもたちにとって“わくわくする”新たな拠点となるように、更なる深化をめざしてまいります。子どもたちに様々な体験の機会を提供する環境づくりや子育て家庭を支援する場として、訪れる人が笑顔に満ちあふれる集いの場所となるように、本市の顔である河内長野駅前から市内外の人々に向けて発信してまいります。また、これらの取組みに新婚世帯補助事業や新年度から実施いたします空き家バンク事業などの転入・定住を促進する取組みをあわせることによって、本市の良さをより知ってもらい、人口減少や少子化の課題などにも対処してまいりたいと思っております。

以上、主要な施策につきまして、その概要を申し上げました。

 平成24年度は、私の第1期市政の最終年、集大成の年であります。1期4年の成果が問われる中、就任時に市民の皆さまにお約束しましたとおり、市民目線、市民感覚を忘れず、市民の皆さまのために半歩でも一歩でも前に進めるよう、全力で市政運営に臨んでまいりますので、今後とも、議員の皆さま並びに市民の皆さまには、なお一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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