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広報紙掲載手話コラム ~手話で語ろう~

印刷ページ表示 更新日:2021年10月12日更新
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広報紙掲載手話コラム ~手話で語ろう~

「ろう者の子育て」(令和3年10月号掲載)

「ろう者の子育て」
  緑ヶ丘の坪井さん

 私はろう者で、子どもが2人います。夫もろう者です。ろう者の子育ての大変さは、あまり知られていないように思います。
 まず、赤ちゃんの泣き声が聞こえません。泣き声をキャッチしてランプや振動で教えてくれるお知らせランプを活用しますが、常に注意していないといけないので大変でした。子どもが色々と言葉を覚えるようになると、聞こえない親と会話ができず、泣くこともありました。近所の人の助けを借りて子どもの言い分を聞いて伝えてもらい、ようやく理解することができたこともありました。親子の会話をスムーズにするために、4歳の子どもが指文字や手話を覚え、通じない時は身振りで表してもらっていました。また、聞こえない親を理解した娘が、生まれたばかりの息子が夜中に泣いているのを見て起こしてくれたこともありました。
 ある日、息子から、幼稚園で作った母の日のプレゼントとして「声のテープ」をもらいましたが、聞こえない私は何を言っているのかわかりませんでした。園にお願いをして、先生と息子の会話を文章にしてもらいました。今ではそのテープと文章が宝物になっていますし、息子の手紙を読むと、うれしく思います。
 中学校のPTAの購買人を引き受けた際には、私の為にこれまでの口頭注文から注文書に変えてくれました。聞こえないお母さんでも出来る事があるのは嬉しいと、娘が生き生きしていたのを今でも覚えています。周りが工夫と配慮をしてくれたから、ろう者にも出来ることがあると自信を持つことができました。
 ろう者を理解してくれる人、手話の出来る人が増えていくことを望んでやみません。