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国宝 如意輪観音坐像
区分(有形文化財)種別(彫刻)
国宝 木造 如意輪観音坐像
Nyoirin-kannon-zazou 像高109.4cm 1躯
所在地 | 河内長野市寺元 |
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所有者 | 観心寺 |
時代 | 平安 |
指定年月日 | 昭和26年6月9日 |
如意輪観音は、如意宝珠と輪宝の功徳で衆生の苦を破り、富をもたらし、願望をかなえるとされる観音。本像の制作は承和年間(834~848)と推定されています。造像には実恵(じちえ)の弟子・真紹(しんじょう)がかかわったとみられ、願主には、嵯峨天皇の皇后・橘嘉智子(たちばなのかちこ)が有力視されています。カヤの一本作り。毎年4月17・18日に開扉されています。
如意輪観音は、宝珠(宝の玉)であらゆる願いをかなえ、法輪(古代インドの武器)で煩悩を打ち砕くといわれ、古くから人々に信仰されてきました。
この像は、像高109.4cmで、1本の木で作られています。全身に鮮やかな色が残り、衣には細かな文様が描かれており、全体的にふくよかな印象を与えます。また、6本の手を持ち、右膝を立て、顔をやや右に傾けています。右手第1手は掌を右頬にあて物思いにふける様子を表し、第2手は胸の前で掌に宝珠をのせ、第3手は下に垂らし数珠を持っています。左手第1手は垂らして掌で台座を押さえるようにし、第2手は肘をまげて前に出し蓮華を持ち、第3手は肘を曲げて真上を示し指先で法輪を支えています。
この像が作られたのは、観心寺に伝わる「縁起資材帳」の記述や仏像自体の特徴から9世紀の中ごろに作られたと考えられます。また、嵯峨天皇の皇后である橘嘉智子(たちばなのかちこ)の発願によって作られたとも言われています。
この像は、普段は一般公開されていませんが、毎年4月17日・18日の2日間に限り特別に拝観できます。
南海・近鉄「河内長野」駅下車、南海バス「観心寺」下車すぐ