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市指定 十一面観音立像

印刷ページ表示 更新日:2019年4月17日更新
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区分(有形文化財)種別(彫刻)指定番号(彫17)

市指定文化財 木造 十一面観音立像

mokuzou juuitimen-kannon-ryuuzou 像高57cm 一躯

所在地 河内長野市天野町
所有者 摩尼院
時代 鎌倉
指定年月日 平成7年3月27日

市指定文化財 木造 十一面観音立像の画像

 材質は檜材の寄木造りで、表面は漆箔仕上げである。

 形状は、当初髻(たぶさ)の頂上に仏面があり、その下に十の小面、また頂上正面に阿弥陀の化仏を頂いていたと考えられるが、現状では頭上の四面及び阿弥陀の化仏を欠失している。
 頭には紐二条の天冠台(てんかんだい)を彫り出し、左右一条の髪が耳をわたり、銅製の垂髪が肩にかかる。外反した耳朶(じだ)は環状で、眼には玉眼が嵌入(かんにゅう)されている。
 天衣(てんね)は左右とも肩から腕にかかり、足元まで垂下している。裳(も)は膝のあたりまで大きく折り返され、帯は長く膝の前あたりで括られ、さらに足元近くまで垂れ下がる。金銅製の胸飾(むなかざり)・臂釧(ひせん)・腕釧(わんせん)を付ける。
 左手には水瓶(後補)を持ち、右手は掌を前に垂らして第一指を軽く曲げ、蓮華座上に立つ。台座は蓮華部・敷(しき)茄子(なす)・岩・框(かまち)からなる四重の蓮華座で後補である。
 光背は周縁を欠失し、これも後補と考えられる。

 この像の頭部の内側に「日栄文永六年四月三日□」の墨書銘が施されている。
 切れ長の眼、筋のとおった鼻、引き締まった口元、張りのある頬を持った顔は理知的な青年の相をなし、衣文は写実的で、文永六年(一二六九)の銘が示す鎌倉時代の特徴をよく表している。

 保存状態良好な鎌倉時代の在銘の十一面観音立像として貴重である。