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市指定 三十六歌仙図
区分(有形文化財)種別(絵画)指定番号(絵2)
市指定文化財 板絵著色 三十六歌仙図
itae-tyakusyoku sanjuurokkasen-zu (平均)縦43cm 横32cm 三十一面
所在地 | 河内長野市天野町 |
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所有者 | 天野山金剛寺 |
時代 | 江戸 |
指定年月日 | 昭和57年3月19日 |
紀貫之
紀貫之 赤外線写真
紀貫之
さくらちる 木能(の)した可(か)せハ 佐(さ)む可(か)らて
曽(そ)ら耳(に)志(し)ら連(れ)ぬ 雪そふりける
三十六面のうち現存しているものは、三十一面である。
元禄十三年(一七〇〇)の「万覚書」によれば、中門前の山麓にある鎮守社の拝殿に掲げられていたこの板絵が、拝殿の修理のために蔵に移された。奉納されて以来拝殿に掲げてあったため、画面が損傷していて、墨書の歌などは読みにくくなっている。
すべての額は、檜材でつくられ、一画面に一人の歌仙を描き、画面上端に歌を墨書するという形がとられている。そのなかで紀貫之の画面の裏に、つぎのような墨書銘が書かれている。
河内国天野山社頭従 秀頼様
御再興之砌歌仙御寄付也
筆者照高院道隆
画工
狩野修理亮也
于時慶長十一年丙午八月吉日
この銘から、慶長十一年(一六〇六)の豊臣秀頼による金剛寺の大修理のときに歌を照高院道隆に、歌仙画を狩野修理亮(狩野山楽、永禄二~寛永十七:一五五九~一六四〇)に描かせ、奉納されたことがわかる。