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市指定 天神社 鉄製 湯釜
区分(有形文化財)種別(工芸品)指定番号(工3)
市指定文化財 天神社 鉄製 湯釜
Ten-jinja tetusei-yugama 像高57cm 一口
所在地 | 河内長野市滝畑 |
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所有者 | 天神社 |
時代 | 室町 |
指定年月日 | 昭和51年3月30日 |
寄託先 | 河内長野市立滝畑ふるさと文化財の森センター |
口縁部を少しせばめその回りに連珠文(れんじゅもん)を鋳り、中央よりやや上部に鍔(つば)をつける。鍔の外辺部にも連珠文が見られ、木製の蓋がつけられている。このような釜は羽がつけられている形なので羽釜とも呼ばれる。底部に鋳造時の湯口と考えられる径一センチの凸部が認められる。
湯釜の鍔に次のような陽鋳銘(ようちゅうめい)が見られる。
大梵天王宮御寳前
長禄四年三月八日
この銘によりこの湯釜は、大梵天王社のために、長禄四年(一四六〇)に造られたことがわかる。
湯釜は、湯立て神事に用いられ、神事の庭に据え熱湯を煮立ててその湯を竹や笹につけて人々の頭上にふりかけ、湯によって身心を浄めるものである。この様子は、熊野那智大社及び補陀洛山寺に伝わる室町時代の那智参詣曼荼羅図などに窺えるように、湯釜は修験道と関わりの深いものである。
この湯釜は制作年代が明らかであり、修験道関係の遺品として貴重である。現在は滝畑ふるさと文化財の森センターに寄託されている。