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市指定 高向神社神像
区分(有形文化財)種別(彫刻)指定番号(彫10)
市指定文化財 木造 神像
mokuzou shinzou
女神像 像高20.4cm 牛頭天王坐像 像高24.7cm 男神像 像高23.5cm 三躯
所在地 | 河内長野市高向 |
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所有者 | 高向神社 |
時代 | 鎌倉(女神・牛頭天王)/室町(男神) |
指定年月日 | 昭和45年3月27日 |
女神像は、榧(かや)によく似た一木造りの彩色像である。
頭頂に髪飾りをつけ、髪を小さく束ねたものを豊かにたらす。顔はふくよかで丸味をおびて、女神としてのやわらかい気品を秘めている。着衣は筒袖の拱のところをくくり、両手は袖の内で拱手(きょうしゅ)している。坐り方も端正で形のいい小像であり、十二世紀末頃のものである。
牛頭天王(ごずてんのう)坐像は、頭上冠の上に牛頭をいただき、両腕と膝頭の下で結んだ着衣の上に武装し、足の裏を合わせていかめしくすわる像である。
一木造りで、もとは彩色像であった。小像であるが巧みな彫りである。鎌倉時代の作と考えられる。
牛頭天王は、もとはインドの祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の守護神といわれ、わが国でも京都の八坂神社で祇園精舎の主神として祀られているものである。
したがって本像は垂迹神(すいじゃくしん)の一種であるが、当地方としては珍しい像といえる。明治四十一(一九〇八)に日野の八坂神社が当社に合祀され、本像はその八坂神社の主神であった可能性が考えられる。
男神像は、一木造り、彩色像のやさしい顔付きをした男性像である。室町時代の作と考えられる。
参考文献:河内長野市役所(1973)『河内長野市史 第十巻 別編二』