○河内長野市こどもたちをいじめから守り悩みに寄り添う条例
令和7年12月19日
条例第45号
いじめは、重大な人権侵害であり、決して許されません。
いじめは、どのこどもにも、どの学校でも起こり得るものです。
その発見や解決が容易ではないからこそ、将来に渡っていじめの早期発見・早期対応を図るなど、地域社会が一丸となっていじめ問題の未然防止等のための施策の実施に努め、取り組むことが必要です。
河内長野市は、全ての市民等とともにいじめを許さないまちづくりを進め、こどもたちをいじめから守り、様々な悩みを抱えるこどもたちに寄り添う地域社会を実現するため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)第16条第2項及び第17条の規定に基づき、児童等におけるいじめ問題の未然防止等に係る基本理念その他必要な事項を定めることにより、全ての児童等が安心して生活し、健やかに成長することができる社会の実現に資することを目的とする。
(1) いじめ 児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
(2) いじめ問題 いじめにより表面化する様々な人権問題のことをいう。
(3) いじめ問題の未然防止等 いじめ問題の未然防止及び再発防止並びにいじめの早期発見及び早期対応をいう。
(4) 学校 河内長野市立小学校及び中学校設置条例(昭和56年河内長野市条例第1号)に規定する小学校及び中学校をいう。
(5) 児童等 学校に在籍する児童又は生徒をいう。
(6) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の児童等を現に監護する者をいう。
(7) 市民等 市内に住所を有し、居住し、通勤し、又は通学する者をいう。
(8) 地域団体等 市内で活動する団体並びに事業活動を行う法人及び個人事業主をいう。
(9) 関係機関等 前各号に掲げるもののほか、児童等のいじめ問題の対応に関係する機関及び団体をいう。
(基本理念)
第3条 いじめ問題の未然防止等のための施策は、児童等の健やかな心身の成長や人格の形成に影響を与えず、児童等の人権を侵害することのないよう、児童等の最善の利益を優先し考慮して、児童等のいじめ問題への理解を深め、いじめが行われなくなるようにすることを旨とし、児童等、市、学校、保護者、市民等、地域団体等及び関係機関等の連携の下、いじめ問題を克服することを目指して行わなければならない。
(市の責務)
第4条 市長は、前条に規定する基本理念にのっとり、いじめ問題の未然防止等のために必要な体制を整備し、いじめのない平穏に学べる環境整備等の必要な施策を総合的に実施する責務を有する。
2 教育委員会は、前条に規定する基本理念にのっとり、学校がいじめ問題の未然防止等に迅速かつ適切に取り組むため、いじめのない平穏に学べる環境整備等の必要な措置を講じる責務を有する。
(保護者の責務)
第5条 保護者は、いじめ問題への理解を深め、児童等の養育について、保護者が第一義的責任を有するとの認識の下、児童等が心身ともに健やかに育成される環境づくりに努めなければならない。
2 保護者は、市、学校又は関係機関等が実施するいじめ問題の未然防止等のための施策に協力するよう努めなければならない。
3 保護者は、その保護する児童等がいじめに関わっているおそれがあると思われるとき、又は児童等からいじめに係る相談を受けたときは、市、学校又は関係機関等に情報提供するよう努めなければならない。
(市民等及び地域団体等の責務)
第6条 市民等及び地域団体等は、地域において児童等に対する見守り、声かけ等を行い、児童等が安心して過ごすことができる環境を作るよう努めなければならない。
2 市民等及び地域団体等は、いじめを発見したときは、速やかに市、学校又は関係機関等に情報を提供するよう努めなければならない。
3 市民等及び地域団体等は、いじめに関する通報、相談等に関係したときは、その際に知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。
(学校の責務)
第7条 学校は、第3条に規定する基本理念にのっとり、児童等のいじめ問題の未然防止等に取り組むため、いじめのない平穏に学べる環境整備等の必要な措置を講じる責務を有する。
(児童等の心構え及びいじめの禁止)
第8条 児童等は、いじめを行ってはならない。
2 児童等は、自己を大切にし、互いの権利を尊重し合うよう努めなければならない。
3 児童等は、いじめがある若しくはそのおそれがあると思われるとき、又はいじめに係る相談を受けたときは、市、学校、保護者又は関係機関等に情報提供するよう努めなければならない。
(相談)
第9条 市長は、いじめを早期に発見し対応するために、いじめに係る相談に応ずるための相談窓口を市に設ける。
2 市長は、いじめに係る相談があったときは、当該相談に係る事実を確認するために情報を収集するよう努めなければならない。
(いじめへの対応の申出)
第10条 何人も、いじめに関する事項について、市長に対し、いじめへの対応の申出(以下「申出」という。)を行うことができる。
(調査)
第11条 市長は、申出があった事案について、関係する児童等及びその保護者に聞き取りを行う等必要な調査(以下「調査」という。)を行う。
2 市長は、調査のため必要があると認めるときは、学校、教育委員会及び関係機関等に対し、関係資料の提出及び説明並びに実地調査の協力を求めることができる。
3 市長は、調査を行ったときは、児童等が希望しない等の特段の事情がない限り、その調査結果を学校、教育委員会及び関係機関等に報告しなければならない。
(調査の不実施)
第12条 市長は、申出の内容について明らかに事実の誤認があると認められるときその他調査を行うことが適当でないと認めるときは、調査を行わないことができる。
(是正の勧告)
第13条 市長は、調査の結果、いじめ問題の未然防止等のための措置が必要と認めるときは、学校、教育委員会及び関係機関等に対し、次に掲げる措置を講ずべきことを勧告することができる。
(1) 児童等に対する見守りその他学校内におけるいじめ問題の未然防止等のための環境整備
(2) 訓告、別室指導その他の学校教育法(昭和22年法律第26号。次号において「法」という。)第11条に規定する懲戒
(3) 法第35条第1項(法第49条において準用する場合を含む。)の規定による出席停止
(4) 児童等の学級替え
(5) 児童等の転校の相談及び転校の支援
(6) 前各号に掲げるもののほか、いじめ問題の未然防止等のために必要な措置
(報告)
第14条 市長は、前条の規定により勧告を行ったときは、当該機関の権限及び責任において執られた措置に関して、当該機関に報告の協力を求めることができる。
(通報)
第16条 市長は、児童等の命と尊厳を守るために必要があると認めるときは、関係機関等に通報するものとする。
(補則)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則