○河内長野市職員倫理規程
令和6年3月13日
規程第6号
(目的)
第1条 この規程は、本市の職員が職務を遂行するに当たって、その職務が市民から負託された公務であることに鑑み、公務員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保することを目的とする。
(定義等)
第2条 この規程において、「職員」とは、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する本市の職員をいう。
2 この規程の規定の適用については、事業者等(法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。以下この項において同じ。)の利益のためにする行為を行う場合における役員、従業員、代理人その他の者は、事業者等とみなす。
(職員が遵守すべき職務に係る倫理原則)
第3条 職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
2 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
3 職員は、法令又は条例等(河内長野市行政手続条例(平成10年河内長野市条例第26号。以下「行政手続条例」という。)第2条第1号に規定する条例等をいう。以下これらを「法令等」という。)により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。
(1) 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならないこと。
(2) 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならないこと。
(1) 許認可等(行政手続条例第2条第4号に規定する許認可等をいう。)をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等(第2条第2項に規定する事業者等及び同項の規定により事業者等とみなされるものをいう。以下同じ。)、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人(第2条第2項の規定により事業者等とみなされる者を除く。以下「特定個人」という。)及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(2) 補助金等を交付する事務 当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人、当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(3) 立入検査、監査又は監察その他これに準ずるもの(法令等の規定に基づき行われるものに限る。以下この号において「検査等」という。)をする事務 当該検査等を受ける事業者等又は特定個人
(4) 不利益処分(行政手続条例第2条第5号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名宛人となるべき事業者等又は特定個人
(5) 行政指導(行政手続条例第2条第7号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人
(6) 本市の機関(行政手続条例第2条第6号に規定する市の機関をいう。以下同じ。)が所掌する事務のうち事業の発達、改善及び調整に関する事務(前各号に掲げる事務を除く。) 当該事業を行っている事業者等
(7) 本市の支出の原因となる契約に関する事務若しくは地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項に規定する契約に関する事務 これらの契約を締結している事業者等、これらの契約の申込みをしている事業者等及びこれらの契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等
2 職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該職に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。
3 他の職員の利害関係者が、職員をしてその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者でもあるものとみなす。
(禁止行為)
第6条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 利害関係者から金銭、小切手、商品券、物品又は不動産の贈与(中元、歳暮、せん別、祝儀、香典又は供花その他これらに類するものとしてされるものを含む。)を受けること。
(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。
(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。
(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。
(5) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。
(6) 利害関係者から供応接待を受けること。
(7) 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。
(8) 利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。
(9) 利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演、討論、講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授、著述、監修、編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組若しくはインターネットにより提供されるコンテンツへの出演(地方公務員法第38条第1項又は河内長野市職員服務規則(平成2年河内長野市規則第23号)第11条第1項の許可を受けてするものを除く。)をすること。
(10) 利害関係者をして、第三者に対し前各号に掲げる行為をさせること。
2 前項の規定にかかわらず、職員は、次に掲げる行為を行うことができる。
(1) 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。
(2) 職務として出席した多数の者が出席する立食パーティー(飲食物が提供される会合であって立食形式で行われるものをいう。以下同じ。)において、利害関係者から他の者と同様に記念品の贈与を受けること。
(3) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。
(4) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること(当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)。
(5) 職務として出席した会議その他の会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。
(6) 多数の者が出席する立食パーティーにおいて、利害関係者から飲食物の提供を受けること。
(7) 職務として出席した会議において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受けること。
(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)
第8条 職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。
2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。
(職員の職務に係る倫理の保持を阻害する行為等の禁止)
第9条 職員は、他の職員の第6条又は前条の規定に違反する行為によって当該他の職員(第6条第1項第10号の規定に違反する行為にあっては、同号の第三者)が得た財産上の利益であることを知りながら、当該利益の全部若しくは一部を受け取り、又は享受してはならない。
2 職員は、任命権者、職員倫理監督官その他当該職員の所属長等に対して、自己若しくは自己の属する機関の他の職員がこの規程に違反する行為を行った疑いがあると思料するに足りる事実について、虚偽の申述を行い、又はこれを隠ぺいしてはならない。
3 課長補佐級以上の職員は、その管理し、又は監督する職員がこの規程に違反する行為を行った疑いがあると思料するに足りる事実があるときは、これを黙認してはならない。
(利害関係者と共に飲食等をする場合の届出等)
第10条 職員は、自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者と共に飲食をする場合において、自己の飲食に要する費用が1万円を超えるときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、会食等届出書(様式第1号)により任命権者に届け出なければならない。
(1) 多数の者が出席する立食パーティーにおいて、利害関係者と共に飲食をするとき。
(2) 私的な関係がある利害関係者と共に飲食をする場合であって、自己の飲食に要する費用について自己又は自己と私的な関係がある者であって利害関係者に該当しないものが負担するとき。
(職員倫理監督官への相談)
第11条 職員は、自らが行う行為の相手方が利害関係者に該当するかどうかを判断することができない場合又は利害関係者との間で行う行為が第6条第1項各号に掲げる行為に該当するかどうかを判断することができない場合には、職員倫理監督官に相談するものとする。
(贈与等の報告)
第12条 職員は、事業者等から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき(当該贈与等を受けた時において課長補佐級以上の職員であった場合に限る。)は、贈与等報告書(金銭・物品の贈与又は供応接待関係)(様式第3号。以下「贈与等報告書」という。)を、当該贈与等を受けた日から起算して14日以内に、任命権者に提出しなければならない。
2 任命権者は、贈与等報告書の提出を受けたときは、当該贈与等報告書の写しを第14条第1項に規定する委員会に、その提出期限の翌日から起算して30日以内に送付しなければならない。
(贈与等報告書の保存及び閲覧)
第13条 前条第1項の規定により提出された贈与等報告書は、これを受理した任命権者において、これを提出すべき期間の末日の翌日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。
2 何人も、任命権者に対し、前項の規定により保存されている贈与等報告書(贈与等により受けた利益の価額が1件につき2万円を超える部分に限る。)の閲覧を請求することができる。
3 前項の閲覧は、当該贈与等報告書の提出期限の翌日から起算して60日を経過した日の翌日以後に、任命権者が指定する場所でこれをすることができる。
(職員倫理委員会)
第14条 職員の職務に係る倫理の保持及びこれに必要な体制の確立に資するため、河内長野市職員倫理委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は、次の各号に掲げる職にある者をもって組織する。
(1) 副市長
(2) 教育長
(3) 総務部長
(4) 総合政策部長
3 委員会に会長を置き、総合政策部を担当する副市長をもって充てる。
4 会長は、委員会を代表し、議事その他の会務を総理する。
5 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。
6 委員会の会議は、会長が招集し、その議長となる。
7 委員会は、会長及び2人以上の委員の出席がなければ、会議を開くことができない。
8 会長は、委員又はその親族に関する事案がある場合においては、当該委員を会議に招集することができない。
9 委員会の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
10 委員会は、次に掲げる事務を処理する。
(1) 職員の職務に係る倫理の保持に関する事項に係る調査研究を行うこと。
(2) この規程に違反する行為に関し、任命権者に対し、調査を求め、その経過につき報告を求め及び意見を述べること。
(3) 任命権者に対し、職員の職務に係る倫理の保持を図るため監督上必要な措置を講ずるよう求めること。
11 会長は、委員会の運営上必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、その意見を聴き、又は委員以外の者から資料の提出を求めることができる。
(庶務)
第15条 委員会の庶務は、別に定める部署において行う。
(任命権者の責務)
第16条 任命権者は、この規程に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
(1) 贈与等報告書の受理、審査及び保存、贈与等報告書の写しの委員会への送付並びに贈与等報告書の閲覧のための体制の整備その他の職員の職務に係る倫理の保持のための体制の整備を行うこと。
(2) 職員がこの規程に違反する行為を行った場合には、厳正に対処すること。
(3) 職員がこの規程に違反する行為について、委員会、職員倫理監督官その他の適切な機関に通知をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けないよう配慮すること。
(4) 研修その他の施策により、職員の倫理感の涵養及び保持に努めること。
(職員倫理監督官の設置)
第17条 職員の職務に係る倫理の保持を図るため、職員倫理監督官を置き、総合政策部人事課長をもって充てる。
2 職員倫理監督官は、職員に対しその職務に係る倫理の保持に関し必要な指導及び助言を行うとともに、委員会の指示に従い、当該職務に係る倫理の保持のための体制の整備を行う。
(職員倫理監督官の責務等)
第18条 職員倫理監督官は、この規程の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
(2) 職員が特定の者と市民の疑惑や不信を招くような関係を持つことがないかどうかの確認に努め、その結果に基づき、職員の職務に係る倫理の保持に関し、必要な指導及び助言を行うこと。
(3) 職員がこの規程に違反する行為を行った場合に、その旨を直ちに委員会及び任命権者に報告すること。
2 職員倫理監督官は、その属する課の職員に、この規程に定めるその職務の一部を行わせることができる。
(調査の端緒に係る任命権者の報告)
第19条 任命権者は、職員にこの規程に違反する行為を行った疑いがあると思料するときは、その旨を委員会に報告しなければならない。
(任命権者に対する調査の要求等)
第20条 委員会は、職員にこの規程に違反する行為を行った疑いがあると思料するときは、任命権者に対し、当該行為に関する調査を行うよう求めることができる。
(任命権者による調査)
第21条 任命権者は、職員にこの規程に違反する行為を行った疑いがあると思料するときは、当該行為に関して速やかに調査を行わなければならない。
2 委員会は、任命権者に対し、前項の調査の経過について報告を求め、又は意見を述べることができる。
3 任命権者は、第1項の調査を終了したときは、遅滞なく、委員会に対し、当該調査の結果を報告しなければならない。
(共同調査)
第22条 委員会は、第20条第1項の規定により調査を求める場合において必要があると認めるときは、この規程に違反する行為に関し、当該任命権者と共同して調査を行うことができる。この場合において、委員会は、当該任命権者に対し、共同して調査を行う旨を通知しなければならない。
(補則)
第23条 この規程の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
(施行期日)
1 この規程は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この規程は、施行日以後にする行為について適用する。