わがまち文化財探訪56

  木造 阿弥陀如来坐像
わがまち歴史散歩
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所在地 美加の台1−25−1
保持者 興禅寺
指定日 昭和31年6月28日


 興禅寺は美加の台の住宅街の中にあります。曹洞宗の寺院ですが、もとは隣接する赤坂上之山神社の神宮寺(神社に付属して建てられた寺院)であり、現在、神宮寺であったことが確認できる市内で唯一の寺院です。本堂は元禄15年(1702)に膳所藩主本多隠岐守康慶の寄進を得て再建されたものと言われています。

 この像は、高さが144.2センチあり、阿弥陀仏としては市内で最も大きなものです。構造は寄木造で、目は彫刻で表現。両手は印を結び、足を組んだ坐像の形をとっています。穏やかで優美な表情で、なだらかな肉付けなど全体的に控えめな彫刻が施されていることから、12世紀の平安時代に制作されたものと考えられています。

 平安時代後期、当時流行した末法思想(仏教の教えが正しく伝わらなくなり、世の中が乱れるという考え)を背景に、阿弥陀如来の仏像や仏画が盛んに制作されました。そのころの日本は、貴族社会から武家社会への過渡期で、社会的不安が増していた時期にあたります。この像には、こういった思想や歴史、そして、当時の人々の阿弥陀仏への強い信仰心が刻まれていると言えるでしょう。

広報「かわちながの」平成18年9月号


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