奥河内くろまろの郷」プレ・フェスティバル
講演会・シンポジウム
 7月6日(日)14:00〜16:30、満席のキックスイベントホールにて、今秋オープンの「奥河内くろまろの郷」プレ・フェスティバルの講演会・シンポジウムが河内長野市農林課主催で開催されました。
 講演会では「たまごがけごはん」で有名な高岡裕司氏((株)吉田ふるさと村代表取締役社長)から鳥取県雲南市の「吉田ふるさと村」にまつわる色々なお話しを、シンポジウムでは松永桂子氏(大阪市立大学大学院准教授)のコーディネートにより、河内長野市でご活躍の5名のパネリストから貴重な体験・提言などをお話し頂きました。
 高岡氏にもシンポジウムにご参加頂きました。
 講演会、シンポジウムの一部をご紹介します。 
 




「ゆるキャラ」と芝田市長
芝田市長挨拶
 みなさん、こんにちは。午前中に開催されました「ゆるキャラ大運動会」には22体の「ゆるキャラ」に集まって頂き、楽しい時間を過ごすことができました。
 今年の11月末には、「奥河内くろまろの郷」が高向地区にオープンいたします。市民の皆さま、関係して頂いた方々のご支援、お考えの結集により、近隣にない素晴らしい施設が出来上がります。
 「奥河内くろまろの郷」の近くには「花の文化園」、「くろまろ館」があります。少し離れていますが、一昨年、国史跡の指定を受けました「烏帽子形城跡」があります。将来、この地域は河内長野の豊かな歴史を楽しめる歴史公園として、近隣にない地域にしたいと考えています。
 河内長野市は歴史・文化の豊富な街です。「我がまちに「くろまろ」あり」、この言葉に河内長野の良さが集約されていると思います。「奥河内くろまろの郷」のオープン後も、市民の皆さまのお力で育てて頂きますようお願いします。
 この後の「たまごがけごはん」で有名な高岡様のご講演、また、これからの河内長野を大いに語って頂くシンポジウムのご清聴をお願いします。

「奥河内くろまろの郷」公式サイトへは、http://okukawachi.or.jp/
をクリック願います。ぜひ、お立ち寄り願います。

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奥河内くろまろの郷プレ・フェスティバル
講演会

 
高岡裕司氏
(株)吉田ふるさと村代表取締役社長


 講師紹介 
平成17年5月 中国地域ニュービジネス特別賞受賞
平成19年3月 日本たまごかけごはんシンポジウム実行委員会が平成18年度地域づくり総務大臣表彰を受ける 
平成21年3月  経済産業省「ソーシャルビジネス55選」選定 
平成24年10月  日本醤油協会 「醤油地域貢献賞」受賞 
       


ヒット商品
たまごかけごはん
専用醤油


吉田ふるさと村の販路

関東33%、島根県21%
近畿14%、直販13%
中国11%、その他8%
講演テーマ
地域密着型第3セクター(株)吉田ふるさと村の歩み
 今日はお招き頂き有難うございました。河内長野市では、今秋、「くろまろの郷」がオープンすると聞いていますが、私たちの経験が少しでもご参考になればいいのかなあと思っています。
 私たちの会社、「吉田ふるさと村」は、人口が1,900人あまりの島根県雲南市吉田町にあります。この町は高齢化率も高く、非常に厳しい環境にありますが、「たたら製鉄」で有名な鉄の村で、昭和61年には「鉄の歴史村」を宣言しています。また、アニメの「もののけ姫」の舞台にもなったところです。
 人口が減る中、何とかせねばと、雲南市から1,500万円、法人/団体/個人から4,500万円の出資を得て、第3セクターとして昭和60に会社を設立、6人の従業員でスタートしました。当時、村の人が株を買うということは非常に珍しいことで、村の将来に対する寄付のつもりだった思います。そのことから地域の人が作った会社といえるでしょう。
 当初は設備も整っていないため、餅つきの実演販売が主な事業でした。それでも新商品開発に力を入れました。
 商品開発は、@安全・安心、A無食品添加物、B原料は地元生産物、などを基本としています。今までに製造の機械化を勧められてきましたが、現在も安全性の高い手作りに拘ってやっています。同時に、地元の雇用にも配慮しています。
 製造工場が出来たことで、販路は地元中心から全国展開に進みました。↑
  ↓現在の販路は、東京と地元が中心で、近畿、中国地方にも出回っています。商品をきちっと取り扱って頂けるところと取引させて頂き、長いお付き合いとなっています。最近は、ネット販売も行っています。
 商品は加工食品です。その主なものは、餅、スライスもち、調味料、乾燥茸、冷凍食品などです。中でも、たまごかけごはん専用醤油「おたまはん」がヒット商品です。2年前から、「日本たまごかけごはんシンポジウム」を地元で開催、2,000人弱の町に3,000人もの人が集まり、駐車場の確保も大変な状況です。また、NHKなどの全国ネットでも取り上げられました。
 最近は、中国、山陰、松江自動車道の開通をビッグ・チャンスと捉え、観光振興と地場産業育成を考えて、日本各地から観光客に来て頂くことに力を入れています。また、平成25年3月にオープンした道の駅「たたらば壱番地」の指定管理者として、経営に携わっています。
 今までの経験から、何かいいことが思いついたら、「やる、やった」ということが大切だと思っています。今後の課題は色々とありますが、人材育成に力を入れて、次世代を期待しています。
 河内長野の「くろまろの郷」は大阪にも近く、市民のアイディア一杯の施設でもあり、成功間違いないと思います。頑張って頂きたいです。
 ご清聴有難うございました。
 「よしだむら」の概要
    (26.4現在)

 面積:113.98km
 山林:103.03km2
 人口:1,911人
 世帯数:663戸
 高齢化率:39%   
     会社概要
    (26.6.1現在)

 資本金:6,000万円
 出資構成:
 雲南市  :1,500万円
 法人・団体:2,815万円
 個人    :1,685万円
 従業員数:67名   

 設立:昭和60年4月1日
      観光と地場産業の振興
  〇観光振興
     @たたら製鉄の文化 
     A神話
     B温泉
     C産業観光
     D地域住民の意識醸成
  〇地場産業振興
     @道の駅「たたらば壱番地」の活用
     A土産物の開発
     Bメニューの開発

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奥河内くろまろの郷プレ・フェスティバル
シンポジウム
 
河内長野で宝さがし
〜地域資源を活かした活性化への想い〜
 
コーディネーター 松永桂子氏  大阪市立大学大学院 創造都市研究科 准教授 
パネリスト  高岡裕司氏  株式会社吉田ふるさと村 代表取締役社長 
  磯和広子氏  大阪府農の普及課総括主査 
  田中隆二氏  生産者:田中ぶどう園  
  裏部貴司氏  生産者:種三きのこ山農園  
  天川麻子氏  atelier NOAHNOOR代表 
  森 光啓氏  高向区自治協議会区長  
シンポジウムの一部をご紹介します。 
 
@今、取組んでおられる事は!
 A河内長野市の魅力、優位性は!
  
@今日は今後の「くろまろの郷」のサポーター、将来の担い手、お若い方も含めて多様な方々にお集まり頂きました。本日のテーマに「河内長野で宝さがし」とありますが、先ほどの高岡様のお話しにもありましたように、最初は小さなことでも事業と共に大きくなって行くものです。「吉田ふるさと村」さんも、最初の頃の地域との関わりはそれほどでもなかったのかと思いますが、「たまごかけごはん」などが切っ掛けとなり、事業を通して地域のファンも増え、地域活動のコンサルをされるまでに発展されたのだと思います。「くろまろの郷」も、人間の原点ともいうべき手作りを通して、子どもから大人まで幅広く楽しめるテーマパークになって行くことが期待されます。
それでは、パネリストの皆さまに、今、取組んでおられる事をお聞かせ願います。

松永氏 
A年々、道の駅は増え、今や道路の拠点から生活の拠点になっています。直売所で日常用品を買い、地域の生産物を知り、地域の応援団になり、そうなることで地域経済の循環へと繋がって行きます。「くろまろの郷」もそうなって行くと期待されます。
今度は、河内長野の魅力、優位性をお聞かせ願います。  

磯和氏
@5年前の花の文化園出向が縁で、本日はお招きを頂いた。現在の仕事は南河内の農業普及。農業普及員は全国で7,000人、大阪府に40人。専門知識を活かし、農産物の生育など農家を支援。支援している直売所を見ていると、特色を継続して持たせられる直売所は成功している。

A河内長野には大量生産者はいないが、米、果物など色んなものを生産。ジャム、こんにゃく、味噌などの加工品もあり、バランスが取れている。加工に携わる方も地域の資源であり、市民との今後の交流が楽しみ。
@アメリカの大学卒業後、東京で会社再建のコンサル。数年前、子どもと当市の森林ボランティアに参加、椎茸栽培の衰退を知る。長期的な仕事への希望もあり、コンサルの経験も活かせるかと椎茸栽培再建の取組みを決心。私の経験から、外からの就農には、地域の受け入れ態勢が大切だと云える。

A外環沿いは直売銀座と言われ、特色あるものを販売。河内長野も特産品が必要。山林資源の活用、例えば、木工品、肥沃な土壌・豊かな水が作り出す農産品など。
 
裏部氏

田中氏
@現在35歳、殆ど河内長野に居住。現在はブドウの生産者であり、「アグリかわちながの」の会長。9割以上が年長者で難しい事もあるが、人間的な成長を感じる。生産ブドウの出荷は全て直売所、委託販売。直売所はお客さんの顔が見え、勉強になる。
 
A多くの未開発の山林は、河内長野の資源だと思う。また、豊富な水資源などインフラの整っている事も大きな資源だと思う。最近、野菜、果物などに若手生産者が出ているが、河内長野は何でも出来る土地柄である。
@園児、小学生の2人の母親。6年の育児専念後、地域情報発信の会社を立ち上げ。「奥河内・・・」の広告を見て、市役所に相談、「奥河内」の使用許可を頂く。現在は情報誌、ネット、イベントに広がり、今後は、女性目線で「子育て・仕事・地域」などの相談にも取組む。

A東京時代、河内長野の知識は無かったが、住めば都。この印象が今の仕事に繋がった。河内長野の良さを発掘、市民に紹介、好きになって貰うことを願って始めた仕事であるが、今後はそれを外に発信、地域の資源にしたいと思っている。
 
天川氏

森氏
@長年のまちづくりの経験から、地域活性化に向けたヒントを2つお話しする。
1)まちづくりは、人材育成を含めて、永続出来る事、即ち、次世代に喜んで貰える事の積み上げである。
2)新たな取り組みには、地域の総意が何よりも大切。「くろまろの郷」もそれがあったからこそ、実現した。

A市民の連帯感とか思い遣りとか、人間性豊かな事も資源だと思う。我々の地区ではこの資源を活用して、「地域発見部会」を組織、地域の良さを発見し、地域の人の認知度を高める活動をしている。
皆さんのしっかりしたお考えを聞かせて頂き、「くろまろの郷」のこれからは大事ないと思います。森さんのお話しにもありましたが、地域が望まない事は決してうまくいかないものです。我々は「道の駅」建設に10年掛かりました。設計も含めて、全ての事を地域がまとまって推進させました。皆さんも何年もしっかりまとまってやって来られていますので、これからもうまくいくと期待しています。頑張って頂きたい。   
高岡氏
松永氏 最後に、これからの「くろまろの郷」の期待について、 裏部さんにまとめて頂きますようお願いします。
裏部氏  「くろまろの郷」は、河内長野の良さを発信するいい場所になると思います。自然環境、大阪からのアクセスも良く、河内長野の文化と食などを同時に発信することを期待しています。 
松永氏  「くろまろの郷」は単に物を売るという場所ではなく、文化の交流の場でもあります。 そのためには、普段から市民が「くろまろの郷」を利用し、育て行く事が大切です。本日はありがとうございました。
 (注記)コーディネーターとパネリストとの途中のやりとりも、パネリストの話しの中に含めました。  
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