取材後記

 第3分科会の演者は、さすがに講演が上手でした。
 適度に会場の聴衆者へ発問をなげかけ、返答者に演者自らマイクを差し向ける。演壇と会場とを行ったり来たりする講演。時には、返答者へ郷土土産といってものを差し出す(ご褒美?)。適度に聴衆者に考えさせたり、笑わせたりというように、聴衆者を巻き込んで、講演にうまく引き入れていく、聴衆者と一体となって行われる講演。さぞや演者の授業もかくのごとくであろうと、フツフツと想像されます。このような授業は、さぞや生徒達に評判がよいことでしょう。実践に裏打ちされた説得性のある講演でした。
 また、このような授業は、周到な準備があって初めて可能でしょう。「資料は、教師自身が興味を持つもの、やってみたいなあと思うものでないと、子ども達の心に響かない」とのこと。写真、VTR、絵本、副読本などを利用して自作されるそうです。道徳授業は1回きりでなく繰り返して行う必要性を語られていました。
  生徒に飽きさせない、魅力ある授業をするかであり、言うが易し行い難しであります。そこに教師力、人間力が発揮れるのでしょう。
 私事ですが、大学・短大の教育に携わったものとして、その苦労が思い出されました。

 第4分科会の講演は、小・中連携教育を行って、まだ年月が余り経っていない神戸大学発達科学部の話でした。
 小学校と中学校のシステムの違いから生じる小・中の連携性の難しさ、それを苦労しながら克服されている様子が伺えました。例えば、小・中の合同授業から「いたわりと敬いの」感情が生じたことを紹介されていました。
 本大学の場合、小・中連携教育の他に、普通の小・中一貫学校とは違い、学術研究活動も行わなければならないと言うことであります。小学部と中学部の先生が一緒になって共通の研究課題を掲げて、研究を行っていることを話されていました(実子)。