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教養講座 「漢字研究の巨星 白川静の世界 参」 病とたたかう人
漢字研究の巨星 白川静の世界 参「病とたたかう人」を受講しました。
くろまろ塾運営ボランティア スタッフ2018年08月26日 19時40分 くろまろ塾くろまろ塾運営ボランティア
皆さんこんにちは、くろまろ塾運営ボランティア広報担当の西岡です。
漢字研究の巨星 白川静の世界 参「病とたたかう人」の漢字講座の参加レポートをお届けします。
今年も成り立ちから学ぶ漢字講座は、人気が高く教室一杯の参加者で熱気がありました。
今回は「病(やまい)」にかかわる漢字について、その成り立ちやつながりを学びました。
今も昔も生きている限り病気や怪我は避けて通ることはできません。現代の私たちは「医学」の力で立ち向かいますが、そうした力のないはるか昔の人々は、病気や怪我にどのように立ち向かったのでしょうか。
先ずは、3000年前のこの漢字は何と読むでしょうか?
横に向けるとそのまんま「人が寝台の上で横になっていて、人の周りの点三つは熱があり汗をかいている様子を表している」ように見えませんか?漢字にすると「病」ですね。この字から、当時から中国では寝台で寝ていたことも判りますね。
では、この漢字はどうでしょう?
ヒント、立っている大人の人の脇腹に何やら矢のような物がつき刺さっているように見えませんか?
この漢字は、やがて病ダレに矢と書いて「疾病」の「疾」になります。矢傷を負うことが元の意味だったのです。このことから、漢字が生まれたこの時代から、人と人が戦っていたことが推測されます。ただし、医学はまだ発展していませんでした。当時、けがや病気をしたとき、どのようにしていたのでしょうか?
「医」の旧字体は「醫」や「毉」でしたね。
当時は病気にかかると、魔をよける道具(矢)を使って追い払うことが「醫」、つまり医療でした。「醫」の漢字を分解してみると四角い囲いの中で矢を患者に打ち付ける様子を表しています。酉はお酒を入れる壺、清める意味があったようです。「毉」の中に含まれる「巫」には「巫女」の意味があり魔よけの儀式を巫女が行っていたことが推測されます。
後藤先生の説明に塾生達は、漢字が生まれた当時のことに思いを巡らせていました。
講座終了後の書籍販売も大人気でした。
以下は参加者の受講後の感想です。
「目から鱗のお話に心が躍りました。感動の連続でした。」
「昔の中国の考え方等まで知ることができ、大変おもしろかった。」
「3000年以上も昔の記録が読めるという文字の力をよく知れて良かった。」
最後に、今回もくろまろ塾運営ボランティアの仲間が、司会や受付に活躍してくれました。お疲れさまでした。(^o^)/