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大学連携講座―大阪府立大学編―「これからのエネルギーを考える」 燃料電池と触媒
「燃料電池と触媒」を受講しました。
くろまろ塾大学連携講座大阪府立大学「燃料電池と触媒」を受講しました。
< 講座開催日時 2019年4月16日14時~15時30分>
くろまろ塾運営ボランティアの村上です。
「平成の時代」から「令和の時代」を迎えようとしています。
「平成の時代」には色々な思い出をお持ちのことでしょう。
来る「令和の時代」にも日本の一層の繁栄と平和を期待されている方もきっと多いことでしょう。私もその一人です。
今回の講座は少し難解でしたが、燃料電池の一端でもお知らせ出来たらと、ちょっと頑張って見ました。
講師は大阪府立大学大学院 工学研究科教授 井上 博史 先生です。
57名の参加者も熱心に聴講
井上 博史 先生
さて、現代の私達の生活は化石燃料のエネルギーなしには成り立たないでしょう。
しかし、このエネルギーは限りがあり、しかも地球規模の環境問題を引き起こします。
そこで、その対策の一つとして、「燃料電池の開発」が取り組まれました。
それでは、燃料電池とは!!
どんなところに利用されているのでしょうか!!
〇「水素」と「酸素」を化学反応させて、直接「電気」を発電する装置です。
〇現在のところ、「燃料電池」はエネファーム(家庭用燃料電池)、Fcv(本来は大文字)(燃料電池車)に利用されています。
〇燃料電池で起こっている化学反応は下記の通りです。
2H2+O2 → 2H2O + エネルギー
〇エネファーム・システムはこの発生するエネルギーを
1.電気として取り出す(発電)
2.熱として取り出す(給湯)
として活用することで、非常に高いエネルギー利用効率を得ています。
ちょっと話はもどって、「化石燃料」にはどんな問題が・・・!!
〇先ず、枯渇問題(可採年数:約50年と言われています。)
さらに、石油価格の上昇、産油国の政情不安の可能性なども心配です。
〇環境問題
燃焼による有害物質の排出があります。特に、炭酸ガス。
環境問題の対策として、先ず、燃料転換「化石燃料から水素へ」が考えられ始めました。
その理由は、水素の燃焼は「2H2+O2 → 2H2O + エネルギー」の反応で示すとおりに反応生成物が環境にクリーンな水だけということです。
<水素エネルギーを使用する利点は>
「水素の用途」、「水素エネルギー社会」を考えてみましょう!!
〇「水素の用途」とは!
従来は「工業プロセス利用」、「ロケット燃料」、現在は「民生用:エネファーム」、「輸送:燃料電池車」です。
将来は「発電」、「輸送」、「民生用」と多方面での利用が考えられています。
〇「水素エネルギー」社会とは!
水素をエネルギー源として有効活用し、低環境負荷・低炭素社会の実現を目指す社会です。水素の供給、貯蔵、輸送などの課題解決も必要です。
〇これらの課題の解決に向け、色々なことが進められています。
1.化石資源から水素製造(水蒸気改質法・部分参加法・自己熱源改質法)
2.非化石資源から水素製造(水電解法・水熱分解法・水光分解法・バイオマス転換法)
3.その他の水電解法(固体高分子電解質水電解法・高温水蒸気電解法)
4.水素の貯蔵(気体として貯蔵・液体として貯蔵・水素吸蔵性の固体に吸蔵)
・・・・・などなどです。
では、出発点に戻って、なぜ燃料電池か? & 燃料電池の特徴は?
このように環境にも優しく、高効率の燃料電池の開発は、経済産業省・Nedo(本来は大文字)(新エネルギー・産業技術総合開発機構)を中心に国家プロジェクトとして取り組まれ、すでに開発ロードマップも制定されています。開発は産学共同にて進められています。
例えば、「Pefc(固体高分子形燃料電池)技術開発に関する国家プロジェクト」は、NedoのPefc利用高度化技術開発事業(平成27~31年度)として、下記の取り組みがなされています。
1.普及拡大基盤技術開発 2.プロセス実用技術開発
この後の講座では、色々な触媒技術の開発などが詳しく紹介されましたが、本ブログでは省略させて頂きました。
講座の感想
簡潔にまとめられた資料を参考にしての熱のこもった講座を聴講し、化石資源などの乏しい日本にとって、「1.高効率で、しかも環境にやさしい燃料電池の開発、2.地球環境の維持、改善にクリーンな水素エネルギーの活用」などが待ち望まれていることを実感させて頂きました。
井上先生、日本の技術力に想いを馳せる楽しい講座、有難うございました。
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司会、受付を担当して頂いた「くろまろ塾運営ボランティア」の方々、お疲れさまでした。
以 上